内容説明
いままでにない斬新な謎に挑むのが本格の醍醐味。人は探偵になりたい、できれば名探偵になりたいから本ミスに挑む。2017年に発表された本格ミステリの短編からプロが選びぬいたベスト作品集。最先端の本格ミステリが一冊に!優れた論理性と驚きの結末は想像の上を遙かに飛び越えていくこと間違いなし!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
geshi
35
『夜半のちぎり』最後の一撃のため強引な所はあるものの舞台設定と伏線の忍ばせ方が効いてる。『透明人間は~』透明人間の設定は面白い。HOWを解かせてからWHYに繋げて活かしている。『顔のない~』”顔のない死体”トリックを想定させておいて現代の警察メインの話だからこその理由づけを成立させている。『首無館の殺人』ゲロとしほりんの露悪趣味で惑わせて雪密室トリックと犯人当てはしっかり論理的で正統派。『袋小路の猫探偵』猫が探偵と分かる円熟の筆。不可能状況を一つの思い込みから逆転させる手堅い仕上げ。2020/04/16
いっくん
17
2017年刊行のベスト。『夜半のちぎり』つまらんなぁ、犯人こいつやろと思ってたら、急転直下、びっくりしました!『透明人間は密室に潜む』透明人間を追い詰めるところは面白かった『顔のない死体はなぜ顔がないのか』歯医者さんとの不倫は要注意(笑)『首無館の殺人』初めての作家さんだったので兎に角驚きました。ぶっ飛んでる!グロいけど本格!一度目はグロさに翻弄されたけど二度目はしっかり本格味わえました。読後は少々苦かった『袋小路の猫探偵』見た目がちょっとややこしい(笑)首無館の白井さん、他の作品探してみよう(^_^*)2019/08/17
ひさか
5
2018年6月刊の講談社ノベルス版のベスト本格ミステリ2018の10編から5編を収録したアンソロジー。2019年6月講談社文庫刊。最近の文庫化は早い。ノベルス版から、1年なので、全て記憶に残っていました。選ばれた5編というところがたいへんに興味深い。岡崎琢磨「夜半のちぎり」、阿津川辰海「透明人間は密室に潜む」、大山誠一郎「顔のない死体はなぜ顔がないのか」、白井智之「首無館の殺人」、松尾由美「袋小路の猫探偵」2019/09/08
ふじこ
5
『ベスト本格ミステリTOP5 短編傑作選004』5人のミステリ作家が描く5つの謎。いちばんは何と言っても白井智之さんの『首無館の殺人』だろう。30年前、梔子館で起きた凄惨な殺人事件。悲劇をなぞるように、館で新たな首無殺人が起きてしまう。削ぎ落とされた文章で人が次々と死んでいく快感と、あまりにも突飛な発想のトリックと、読後の粘つくような後味の悪さに、読みながらずっとぞくぞくさせられていた。白井さんって本当に悪趣味ですよね。(褒めてる)エログロ・エレクトリカルパレードにようこそ。本日のメインはゲロです。2019/06/21
ユッキーさん
2
阿津川辰巳さんの読書日記を読んで、ご本人の作品を読んだことないなということで。本格ミステリではない気はするが、動機とか種明かしはよかったと思う。そこに至るまではそれほどのめり込む感じではなかったけど。夜半のちぎりは犯人は正直早い段階で気づいたけど下地がしっかりしていておもしろかった。顔のない死体~もおもしろかったけど説明的な部分が多くてちょっと目がすべった。首無館は正直最悪…気持ち悪いだけでなんとも。ニャン氏は安楽椅子探偵ものだけどもう一歩猫に踏み込んでたらなぁと。シリーズ物だから他を読んでたら違うかも。2023/02/02