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内容説明
本書は、伝統宗教を生きる北米先住民族の人々が文化交渉状況において主体的に語った神話テクストを読み解こうとするものである。イエズス会宣教師と狩猟採集民との間にある文化と宗教の違いによる誤解、ホピの予言の歴史的形成過程や文化交渉によって変化をみせた各部族に伝わる神話、カンニバルの怪物ウィンディゴ伝承などを考察している。また、伝統が変わりゆく中で、首長らがいかに伝統を維持、回復しようと試みているかを描きだしている。
目次
歴史と文化交渉から考える北米先住民族の宗教と神話
第1部 文化交渉における他宗教の誤解(一八世紀のイエズス会宣教師とアルゴンキアン族との間の文化交渉;ホデノショニ(イロクォイ)神話における「母なる大地」を巡る宗教史学的考察)
第2部 多様な文化交渉と先住民族の宗教的・神話的世界(ホピの神マーサウを巡る歴史と神話;盲目の語り手ガハンドルが語ったハイダ神話;ディネ(ナヴァホ)とホピにおける「思う(創る)女性(蜘蛛女“蜘蛛婆”)」と織物の起源 ほか)
第3部 人物史から見る文化交渉と宗教的・神話的世界(ジョン・A.ギブソン―カナダ、オンタリオ州、シックス・ネーションズ・リザーブの伝統主義者セネカ世襲首長の伝記;カユガ世襲首長ハタハツ・イクレフタ(ジェイコブ・E・トーマス)―シックス・ネーションズ・リザーブにおける伝統的言語の保存と継承の試み
ハイダの芸術家ビル・リードの芸術作品に見られる二重の他者性と先住民性)
各章を振り返って
著者等紹介
木村武史[キムラタケシ]
筑波大学人文社会系教授。山口大学人文学部助教授、筑波大学准教授を経て現職。シカゴ大学Ph.D.専門分野は宗教学、アメリカ研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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