内容説明
長期母乳育児指導は、衛生的な日本社会では不要であり、むしろ女性の社会進出を阻み、母親の育児負担や育児不安を助長させる原因となっている。
目次
第1章 不自然な育児で負担を抱える日本の母親たち(日本の育児現況;韓国との比較で考える日本の育児 ほか)
第2章 過熱教育、儒教思想に苦悩する韓国(世界トップの進学率;人生を決める修学能力試験「スヌン」 ほか)
第3章 母乳育児指導の歪み(軽減された家事労働;三倍に増えた苛つく母親 ほか)
第4章 不登校者数増加時期と重なる育児指導変化(不登校者数の状況;「明るい不登校」「悩まない不登校」 ほか)
第5章 少子化から抜け出せない理由(出生率が伸びない理由あれこれ;フランス及びスウェーデンと比較して ほか)
資料 日韓比較アンケート結果(一歳半前後の子を持つ母親たち対象調査結果;幼稚園児・小学生の子を持つ母親たち対象調査結果)
著者等紹介
熊田洋子[クマタヨウコ]
1956年香川県生まれ。都留文科大学文学部を卒業後、埼玉県立高等学校で国語の教師として教鞭を執る。2008年休職し、東京学芸大学大学院、総合教育開発専攻国際理解教育コース多言語多文化教育サブコースへ入学。日本と韓国の教育や子育てについて比較研究する。2010年3月修了と同時に早期退職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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teddyagogo55
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母乳育児が結構大変だと感じていて、今更ながらに出会った本。韓国との比較も面白いけれど、個人的には3章の母乳指導についての章が興味深かった。生後6か月までの母乳育児の有効性についてはデータがあるものの、卒乳を目指しての長期母乳育児については、発展途上国向けの国際機関のメッセージであることを知り、安堵。長期母乳育児を奨励する文言は溢れているけれど、仮に早くやめると問題があるかが気がかりだったので、参考になった。よかった! 2015/07/11
kozawa
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タイトルからしてトンデモ本かと思ったが、思ったよりまともではあったけれど、リテラシー(?)のない人にはあんまり勧めたくはない。断乳主義から急速に「伸ばして良い」に変わった日本だが伸ばすことが「いい」証拠はないんじゃないかと言っていて、まぁそこは同意する部分もある。が、逆に伸ばす弊害はというと、本書曰く、伸ばせ論で伸ばして女性の就労等に悪影響がというのは確かにあるとは思うけど、「害」の論証も実は不十分なのでまぁ、乱暴に言えば「どっちを選ぶにしても無理しなくてもいいんじゃね?」と思うのだった。子供は思いどおり2011/12/26