内容説明
不透明さと透明さ。何よりもこの一対の言語は、源氏物語という物語テクストを分析する上でも、また吟読し鑑賞する上でも、まさに肯綮にあたる言葉に思われたのである。
目次
第1セッション 場面、視線、劇的空間(垣間見―文学の常套とその変奏;源氏物語と源氏能のドラマトゥルギー―謡曲「野宮」との比較;記憶のかたち、かたちの記憶―源氏物語と絵画)
第2セッション 歌と語り(世界とその分身―源氏物語の霧;『源氏物語』と「和歌共同体」の言語;紅葉賀巻における対話―和歌と和歌引用の機能)
第3セッション 時間と語り(アネクドート、あるいはミクロフィクション、そして読者との関係;六条院への道―『源氏物語』の長編構造の仕組み;薫と浮舟の物語―イロニーとロマネスク)
総括