内容説明
関西の私鉄はなぜこんなに個性的なのか?愛と独断のキーワードで読み解く、最強の私鉄王国の正体。
目次
阪急電車―創業者の顔が見える鉄道。
南海電車―過剰こそ美学、バロックの凄み。
阪神電車―「速い電車」とは何か?
近鉄電車―日本一の鉄道のエキゾチシズム。
京阪電車―玄人をも唸らせる、名匠のからくり。
附録 関西私鉄戦後車両史1950‐2015
著者等紹介
黒田一樹[クロダイツキ]
1972年、札幌市生まれ。慶應義塾大学文学部(美学専攻)卒業。本業は中小企業診断士・1級販売士(登録講師)・商業施設士。経営戦略からクリエイティブまで一気通貫で支援する。一方、京阪80形を保存したり、世界約180都市中117都市で地下鉄に乗ったりと、無茶な発想と行動を愛する「鉄道楽者」を自称。知識・フットワーク・話術の三拍子を揃え、雑誌への寄稿のほか、講演では独自の視点と中毒性の高いトークで人気を博す(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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よこたん
48
“阪急143・6キロ、南海154・8キロ、阪神48・9キロ、京阪91・1キロに対し、近鉄は501・1キロ。比類なき日本最大の私鉄である。” 近鉄沿線に住んでいたことがなんとも誇らしくなる(笑) 通学・通勤・レジャーにと、当たり前のように乗っていた電車。成り立ちから現在に至るまでを熱く熱く語ってくれる筆者がきっと一番楽しんでる。京都に、神戸に行くにも人気なのは阪急。マルーンカラーの車体は憧れ。伊勢志摩ライナーや南海ラピートは見かけると、子どもじゃなくても、きっと心躍る。個性があふれすぎてもうたまらない。2017/12/07
たかしくん。
34
タイトル通り、関西の私鉄王国の「すごさ」を、これでもかと語ってくれる。相当なマニアにも新たな発見が得られると思います。そして、それが関西のJRのサービス向上にもつながっているんでしょうね。家内の実家の関係で、大阪に行くたびに思います。2016/09/18
HMax
28
関西の私鉄5社について、企業カラーはもとより、歴史、車両、技術志、等々、マニアックな解説を加えた関西私鉄ガイド。自動改札、動く歩道、自動券売機、「日本初」が多かった関西も、東京一極集中の影響で地盤低下が著しいですが、どっこいまだまだ頑張ってます。阪急梅田、南海難波、近鉄上本町のターミナルになれると、関東私鉄のターミナルは物足りない。 本書で一番の収穫は、ラピートのスーパーシートで難波入りすると、ベルマンに出迎えてもらえる。(スイスホテル南海大阪宿泊者限定)2022/03/21
なにょう
24
ちょっとついてけない所もあったけど、この本は看板に偽りなし。関西の私鉄五社のすごい、詳細な解説本。近鉄沿線居住者としては近鉄の項を興味深く読んだ。★まず、前書きに引き込まれた。世界中に鉄道はあるが、社会的地位や収入と関係なく誰もが鉄道を利用し、人々の生活に鉄道が深く入り込んでいる点が世界的にみてもユニークだ。…要約…(p10)この一文から著者の見識の豊かさを感じ、手にとったが間違いなかった。2017/03/28
ユー
12
学生時代は近鉄で通学していました。今でも、無性に遠くへ行きたいなと思った時は、近鉄電車に乗って、奈良の方面へ、ふらっと出掛けます。それだけの魅力が近鉄含めた関西私鉄にはありますね。特に印象深いのは「阪神電車」の項。単純に電車のスピード追及ではなく、家を出てから改札口を通り、目的地へ到達するまでの全てを含めたスピード感は、思わず唸らされました。2018/02/05