内容説明
『我輩は猫である』『坊っちゃん』など、国民的作家・夏目漱石の初期の作品はユーモアに富んだ楽しい内容であるにもかかわらず、後期になると友人である男二人と女一人が織りなす三角関係を主題としたものへと変化していくのはなぜか?本書はそこに隠された謎を起点し、現存する漱石関係の資料を渉猟して秘匿され続けた漱石の恋人にまつわる謎解きを試みた。あなたの知らなかった漱石に出会える本。
目次
謎のはじまり
夏目漱石の略歴
大塚楠緒子
漱石と楠緒子の出会い
明治二十七年の出来事―第一の転回
漱石の住んだ家と転居
漱石と楠緒子の文芸作品上の応酬
漱石の第二の転回
漱石の独白
『一夜』の謎解きと翻案
『それから』
『夢十夜』の謎解きと漱石の告白
明治二十七年の真相の裏側―推論B
楠緒子の早世
検証と推理のまとめ
漱石が作品中に仕掛けた謎解きのまとめ
漱石の学友たち
夏目漱石略年譜
著者等紹介
加藤湖山[カトウコザン]
1948年生まれ。東京大学理学系大学院修了。理学博士。以来、研究職に従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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