内容説明
ブラックホールといえば、何でも吸い込む黒い穴というイメージが強い。しかしまわりから降り注ぐ高温ガスによって、ブラックホールが光り輝き、さらには高速ジェットを吹き出すことさえある。本書では、ブラックホールなど重力天体の周辺に形成される天体「降着円盤」について、観測と理論の両面から丁寧に解説した。
目次
第1部 降着円盤とは(降着円盤の登場)
第2部 降着円盤の観測(原始惑星系円盤と原始太陽系星雲;激変星と超軟X線源;X惑星とマイクロクェーサー;活動銀河とクェーサー)
第3部 降着流の基礎(質量降着とエディントン光度)
第4部 降着円盤の理論(降着円盤の標準モデル;降着円盤の相対論的モデル;降着トーラスモデル;降着円盤のニュータイプモデル;降着円盤の安定性と振動現象;宇宙ジェットと降着円盤風)
第5部 降着円盤の世界(降着円盤の未来)
付録
著者等紹介
福江純[フクエジュン]
1956年山口県宇部市生まれ。大阪教育大学教授、理学博士。1978年京都大学理学部卒業、1983年京都大学大学院理学研究科(宇宙物理学専攻)博士後期課程修了。日本学術振興会特別研究員、大阪教育大学助手、助教授を経て、2004年4月より現職。専門は理論宇宙物理学。相対論的(+放射+磁気)流体力学を武器として、ブラックホール降着円盤や亜高速宇宙ジェットなどの謎に立ち向かう一方、研究成果の一般への紹介など天文教育やサイエンスデザインにも関心が高い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。