出版社内容情報
井辻朱美第六歌集
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
袖崎いたる
4
「いくたびか見てきた渚 万象はここに尽きると臓腑色の落暉」「やわらかなことばの内臓もぐように風が散らしておいた夕雲」「真っ白な五月の坂にひとつまみのしめりけをおくS字のとかげ」「青春と呼ぶ吐瀉物のようにしめやかな桜ふぶきをゆわく仮名文字」「いきなりに美しい頬を張る音が響いたような羽子板の市」「汚れながらふくらみやまぬ夏の雲 孵化しないことを永遠と呼ぶ」あたりが好き。あと、あとがきで詩の理不尽な結合力と飛躍力を讃えて、それこそが外部に出てゆくファンタジーの役割を担う力能を備えておると語ってて胸熱。2023/02/17
はち
3
井辻作品は初めて。思っていたよりはるかにファンタジー。たた、過度にファンタジックな作品よりも、現実に近い作品の方が好き。2015/06/24
赤坂パトリシア
0
透明な短歌の世界。美しい。2017/12/01