内容説明
星地名と縄文方位測量の謎!青森県・三内丸山遺跡の六本柱は縄文時代の北極星を指し示していた。そこで出土した霧ケ峰産の黒曜石や糸魚川産のヒスイは、いったい何を物語るのだろう?日本列島に散在する「星地名」と「縄文方位測量」の謎を追うなか、次第に浮かび上がる太古のロマン。
目次
ふたつの疎水
星への憧れ
失われた縄文語
古代方位測量の兆し
方位測量図作成のてびき
星地名の条件
古代方位測量の仮説
方位測量の年代推計―移りゆく北極星
縄文方位測量の旅
星地名と遺跡
ふたつのはほろば
星地名と後世の文化
つぼのいしぶみと多賀城碑
空海と最御崎
平泉藤原氏の誕生と滅亡
南部氏と「えんぶり」の起源
新渡戸氏の偉業
著者等紹介
森下年晃[モリシタトシアキ]
1937年生まれ。小学1年まで函館で育ち、その後奈良へ疎開、終戦後に三沢に移る。東北大学医学部卒業。医博、内科医。1992~94年、十和田市で行なわれた「稲生川を考えるフォーラム」の実行委員として「稲生川の歴史と科学」部門を担当。1994年産業考古学学会全国大会で「三本木開拓における安野屋素六と吉助―稲生川開拓の一考察」を発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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くまこ
1
縄文語から派生したアイヌ語と弥生語(日本語)という観点から、地名の由来を解説しているところが面白かった。とりわけ古代方位測量の仮説から、星にまつわる地名を分析していく第7章が読み応えがあった。歴史・天文・考古学などの素材満載で、ミステリー小説の面白さにも繋がるようだった。2012/04/29
reur
1
長江文明、黄河文明よりも古く高度な文明が三内丸山遺跡に繋がっている事が俄に現実味を帯びてくる。邪馬台国が実は地図どおりに行程を辿ると東北方面だった説も縄文人がこれだけ高度な測量と広範囲の移動を行っていたとすると、あながちとんでも仮説では無いかも知れない。漢字の字面だけに惑わされない元々のことばの意味、まだまだ古代の日本人から学べるものは尽きないようだ。2012/03/10