内容説明
SDP編集部がセレクトした8著者の「夢」にまつわる小説や随筆等を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
15
漱石の「夢十夜」、読み始めてすぐに黒沢の「夢」はこれがモチーフだったのだと今更に気づく。第七夜の黒い海に落ちる話は夏の闇夜の怖さ、第八夜の金魚売りは真夏に背筋がぞくっとさせる不気味さ、第九夜のお百度参りは悲しい話、そして第十夜はこんな夢ばかり見ていたら帰ってこられなくなるよという話か。芥川の夢はモデルの白い肌がみえてくるような淫靡な美しさ。岡本かの子の女性の気持ちは人形の家を思い出させ、朔太郎の夢分析は鴎外の調べ上げた夢の現象より納得した。横光の「夢の話」で締めたのは編者のうまさ。2013/04/18
メセニ
4
我が軍であるところの推しのフォトグラフ目的という、ただただ武士的な思惑のみで手に取ったという経緯はさておき…、この本がなかなかに可笑しかった。「夢」にまつわる短編や随筆などのオムニバス/アンソロジーであるのだが、漱石の短編「夢十夜」に登場する、”一直線になって自分に向かってくる幾万匹にも及ぶ豚の鼻頭を、洋杖で一つ一つしばいて谷底に落としていく”というエピソードや、横光利一の「夢もろもろ」という文章が実に秀逸で、くすくすと笑ってしまうような滑稽さがあった。2015/07/18
ゆづき
1
家にあったので一読。人によって「夢」に対する考え方が違って面白いです。2021/11/02
水生
1
夢を題材にした小説だったり作者が考える夢の分析だったりと一口に”夢”といっても様々で面白い。文豪といわれる人々も私たちと同じように“夢”という言葉がもつ魅力を感じて小説や随筆の題材にしたのかと思うと不思議な気分だ。2020/09/30
かーず
1
朔太郎のと横光利一のがよかった。2012/05/06