内容説明
夏の高原で私は少女・節子と出会った。運命的な出会いを感じた私たちは結婚を約束する。しかし、節子は病に侵され、その幸せは長くは続かなかった…。その後、私は彼女の無償の愛を知ることに。愛と死と生をテーマとした、悲しくも美しい調べが心を駆け抜ける。
著者等紹介
堀辰雄[ホリタツオ]
1904‐1953。東京都出身。高校在学中に室生犀星や芥川龍之介と知り合い、東京大学在学中にはプロレタリア文学の影響を受ける。結核を患い、同病の婚約者とともに二人で八ヶ岳山麓の富士見高原にある療養所に入院した体験をもとに『風立ちぬ』を著した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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びす男
93
大切な人の最期を看取る日々。美しい文章で描かれる、ヒロインの一瞬一瞬のたたずまいが切ない。不安と悲しみに暮れるだけでなく、かすかに幸福の香りがしたのも印象に残った。「風立ちぬ、いざ生きめやも」。風のそよぎにすら命を感じ、愛おしみながら日々を過ごす2人。死と向かい合いながら幸福に生きることを、きわめて自然に実現させているように見えた。2017/10/10
菫
1
節子みたいな女性になりたいです。「風立ちぬ」の節子のセリフ、あんなことが言えるようになりたい。写真が本の雰囲気とぴったりで、よかった。2012/05/30
まお
1
写真もよかった2009/10/19
Mits
0
短い話なのだけど、文体がちょっと読みにくくて思ったよりも時間がかかった。目が滑るというか… お話は、どうなんだろう。病弱少女萌えと自己憐憫がよじれ合って閉じた、幸せな瞬間が描かれているんだと思う。2013/09/12
custom
0
これ読んで気づいたけど、サナトリウムが好きみたいです。魔の山も好きですし……ニート願望なのか、隔離されたい願望なのか、どこからそういう気持ちが出てきてるのかはちょっとわかりませんけど。2010/08/24