内容説明
監獄の前で差し入れを持って並ぶ列の中で「これを書くことができますか」と問われた詩人がともに苦難の中にある人々への思いをつづった詩篇「レクイエム」。悪事が行われた場所に生えて笛となりその悪をあばいたと言われる伝説の「葦」を表題にかかげ、忘却にあらがって書き続けられた言葉。孤独と絶望の中でささやく女の声が詩となって私たちに届く。
目次
葦
レクイエム
著者等紹介
アフマートヴァ,アンナ[アフマートヴァ,アンナ] [Ахматова,Анна]
1889年、オデッサに生れ、北の都ペテルブルグの近くで子供時代を過す。若くから詩作を始め、夫となったグミリョーフやマンデリシュタームとともに20世紀はじめのロシアを代表する“アクメイスト”の詩人として高く評価された。1917年の革命後はグミリョーフの銃殺や息子の逮捕、マンデリシュタームの流刑地での死亡などの数々の苦難にみまわれ、1946年には自らも退廃的詩人という烙印を押されて完全な沈黙を余儀なくされた。スターリンの没後は詩集も刊行され、アイザイア・バーリンとの対話などを通じて広く西欧にも知られる一方、ペテルブルグ派詩人の生き残りとして晩年にはブロッキイらの若手の才能を見出し支える存在でもあった。1966年3月5日、モスクワ近郊のサナトリウムで没
木下晴世[キノシタハルヨ]
1971年3月大阪外国語大学ロシア語学科卒業。1974年4月より京都大学事務補佐員、2012年3月退職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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