内容説明
絵画が言語の形を取って小説のテクストを横切って行く―。美術批評家たり得なかったプルーストの批評的言説、そこに引かれた幾本もの“横断線”の働きを解き明かすとき、テクストは新たな相貌を見せはじめる。ドゥルーズの概念を作家の実存的な帰結として捉えなおす、プルースト研究の俊英による刺激的論考!
目次
序章 絵画と横断線―プルーストと絵画の問題はどう論じられてきたか
第1章 「ゲルマント家の夕食会」における絵画の挿話の生成過程
第2章 マネをめぐる社交界の会話とその美学的問題―『ゲルマントのほう』における美術批評(1)
第3章 十九世紀後半におけるルーヴルの文学的表象と美術館の概念―ゾラ・プルースト・美術館
第4章 モローをめぐる社交界の「さかしま」な言説とその美学・科学・制度的問題―『ゲルマントのほう』における美術批評(2)
第5章 ドガの美学・政治学的問題と世紀転換期の絵画「理論」―ドガ・ダンス・プッサン
終章 世紀と横断線、あるいは不断の生成
著者等紹介
荒原邦博[アラハラクニヒロ]
1970年生。東京大学教養学科フランス科卒業。同大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程単位取得満期退学。パリ第4大学博士課程DEA修了。博士(学術)。日本学術振興会特別研究員を経て、明治学院大学他非常勤講師。専門はフランス文学、文化史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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