著者等紹介
管啓次郎[スガケイジロウ]
著書『斜線の旅』(インスクリプト、2009年)で第62回読売文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
スミス市松
16
私たちは、私たちの問題が世界の空間にどんなふうに広がりわたっているか直接知ることはできない。ただ、人間の言語はあらゆる過去を蓄え、よその場所に依存している。文字で書かれたすべては過去に属し、他方の現在として私たちがいて、イメージ、その一筋の閃光が、読む行為を通じて過去から現在へ時をわたり、この場所に回帰する。過去形と現在形の文が一行ごとに交錯する本書の詩群はそのような〈よそ〉と〈ここ〉を行き交う複数の風あるいは便りであり、そして断絶と連結の美学が届けるイメージの連続が、読む人の心の方向を静かに変えていく。2018/06/01
ゴゴマ
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過去形(=ある種の静止画)、現在形(=ある種の動画)を交互に配置し、目を滑らせるたびに世界は永遠と瞬間を行き来する。「欲望とミルクを比べると倒れるのはいつも日時計だった/落雷を飼い馴らそうとクローバーで無邪気な餌付けを試みる/ふたたび経済理論を学ぶために羊飼いはひそかに出国した/丘がふらふらと夜市をさまようので景気が破滅する/岩陰に魚を拾いにゆくとどれも焦げたいるかばかりだった/ときどき海が見えるたび塩の節約が議題になる」各行における主人公は千差万別で、多声性のリズムに体を預ける。2026/07/19




