内容説明
いま私たちは個人化の第二波の渦中にいる。それは個人化の第一波のピークを過ぎた七〇年代後半から徐々に姿を現し、九〇年代半ばから一挙に加速してきた新しいタイプの個人化である。若者が“疑似高齢者化”する時代、液状化する日本で生きる。
目次
序章 震災後の生き方を“私”の視点から考える
第1章 日常生活の構造
第2章 人生の構造
第3章 高齢化―日常生活と人生の構造を変化させるもの1
第4章 個人化―日常生活と人生の構造を変化させるもの2
第5章 生活時間の補正―さらなる個人化の時代のライフスタイル1
第6章 生活空間の拡張―さらなる個人化の時代のライフスタイル2
著者等紹介
大久保孝治[オオクボタカジ]
早稲田大学教授。ライフストーリー研究。1954年東京都に生まれる。77年早稲田大学第一文学部(人文専修)卒業。86年同大学大学院文学研究科(社会学専攻)修了。87年同大学助手。91年放送大学助教授。94年早稲田大学助教授。96年同大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ほほほ
24
もっとも身近でいつも接しているもの、「日常生活」「ライフスタイル」についての本。著者の日記風ブログのファンなので、大好きなブログの秘密を知りたくて購入してみました。大満足。当たり前の日常や目の前にある人生について、どこか不安定な揺らぎを感じることのある今、その理由はなにか?、どうすればぐらつく足場を強化できるか?、生活や人生を構成する色々な要素をわかりやすく整理しながら、バランスのとれた生き方を指南してくれるこの本を読めて本当に良かった。放送大学のテキストですが、教科書というより読み物として満喫しました。2015/06/28
きいち
18
「日常生活は出現の感覚を異にするさまざまな行動パターンから成り立っている」「不安定化した日常のバランスを回復するには…日常の内部に安定した足場を構築していくほかはない」その足場、一つを強固にするのではなく、たくさんで支えることを提案。趣味の縁やブログ・SNSは想像つくけど、虚構や妄想まで広げるのは著者ならでは。きつい時に妄想が支えてくれることって、確かにある。◇実用的なノウハウとして挙げられるのが「書くこと」。日記、自分史、ライフプラン。文字にすることの有効性。この読メも、確かに自我安定の効果あるもんな。2014/04/28
けめこ
2
前期の授業の指定教科書だったが、だらだらと読んでいてようやく読み終わった。社会学は、世間の人々の動きや思考、その背景を考えているから、小説にも役立つ。日本史の教科書的な歴史ではなく、人々の生活がどううねってきたか書かれている。これを知ってると、より生々しい人間が描けそう。新たな幸福の物語の提示、これが今の小説に求められていることかも。放送大学叢書、読みやすいし勉強になる。他も読みたい。2017/01/09