内容説明
文献史料や図像史料の丹念な読み込みを通して達成された、アンシャン・レジーム期フランスの人びとの、息づかいと衣擦れの音が聞こえてくる服飾文化史。
目次
第1部 清潔―身体感覚の秩序(清潔の誕生;「白いリネン類」による身分秩序の身体化;シュミーズの色による差異―身体衛生と漂白の奢侈)
第2部 服装規範―ふるまいの秩序(服装規範;帽子の表象―ふるまいが構築する社会秩序;帽子をめぐる身体表現―ダンスの教本を中心に)
第3部 逸脱するモード―秩序の揺らぎ(女性の仮面モード;部屋着モードにみる規範秩序からの逸脱―快適とエロティシズム)
著者等紹介
内村理奈[ウチムラリナ]
1968年東京都生まれ。お茶の水女子大学大学院修士課程家政学研究科被服学専攻修了。リュミエール・リヨン第2大学DEA課程近現代史専攻留学。お茶の水女子大学大学院博士課程人間文化研究科比較文化学専攻単位取得満期退学。博士(人文科学、お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科)。現在、跡見学園女子大学マネジメント学部生活環境マネジメント学科准教授。専門はフランス服飾文化史・服飾文化論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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いまにえる
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アンシャンレジーム期のフランスの身体表象について書かれた本。清潔観念や色の差異の意義、帽子の社会的役割や仮面などについて書かれていた。秩序の再確認として服装や動作が「開発」されるというのは面白い視点だと思った。色の差異が階級差を表すというのは、日本の平安時代の十二単などと似ているなと思った。帽子が頭に近い場所にあることからその人の「人格」などと結びつけられ、また、性的とも思われていたというのが面白い。私たちの感覚も、後世の人たちから見れば伝わりきらないことも多いのかと思うと少し切ない。2018/01/24