内容説明
疎開先の福島県の美しい自然のなかで、小学校一年生から中学二年までの八年間を過ごした藤田浩子は、隣の畑の小父さんから、たくさんの話を聴いて育った。話のあらすじだけでなく、小父さんの福島弁、青い空と草いきれ、タバコと肥やしのにおい、それらすべてをたっぷりと吸いこんで、語り部・藤田浩子は生まれた。にこたにこた、ぴたら~んこ、ぐびらぁ~、ぴょんつらぴょんつら…なんともユーモラスで、しかも短いことばひとつで、場の雰囲気や登場人物(動植物)の特徴を表現してしまう驚くべき擬態語の使い手。昭和日本の原風景を数十年にわたって語り続け、近年はアメリカにまで活動の場を広げてきた藤田浩子の語りの世界。
目次
かたれやまんば一集(蛇の食い合い;人参と大根と牛蒡 ほか)
かたれやまんば二集(子だくさん;ことしゃみせん ほか)
かたれやまんば三集(蛙の坊様;風格のある幽霊 ほか)
かたれやまんば四集(ふぐはうち;ノミの串刺し ほか)
かたれやまんば五集(夢長者;貧乏になれなかった男 ほか)
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