内容説明
百年戦争のさなか、王太子の地位をひろった少年が、アンジュー公妃の庇護とベリー公の富をえて、フランスを国民国家にみちびく物語。
目次
序章 国民国家フランスの誕生
第1章 狂気の王と不実な母
第2章 「よき母」ヨランドと「金持ちおじさん」のジャン
第3章 オルレアンの乙女と青髭
第4章 フランス王シャルル7世の権力と政治
第5章 ジャック・クールとノルマンディの解放
著者等紹介
樋口淳[ヒグチアツシ]
1946年生。専修大学文学部人文ジャーナリズム学科教授。日本民話の会運営委員。ベルギーのルーヴァン大学卒業後、民話・民俗の研究にとりくむ。日本民話データベース作成委員会を組織し、民話記録のデータベース化に取り組んでいる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ジュンジュン
7
百年戦争で最終的な勝者となったシャルル七世一代記。印象の薄さはあるものの、粘り強く勝利を手繰り寄せて、今日につながるフランスの礎を築く。割かれているページ数からもスーパースター・ジャンヌダルクでさえ、シャルル側から眺めれば、長い闘争の一場面にすぎなかったのだろう。2020/08/20
べあべあ
4
シャルル7世前後のフランスについての本。今のフランス領土をフランス、と思ってこの時代に挑むと混乱しますよね。ジャンヌダルクを見捨てた薄情者との印象が強かったですが、シャルル7世、なかなか重要な働きをしてたのですね、見直しました。”いとも豪華な時祷書”のベリー公はこの時代に出てきた人なんですね、名前しか知らなかったのでこれも勉強になりました。2023/05/13
てつこ
2
100年戦争を終結させ、国民国家フランスの礎を築いたシャルル7世の生涯を追う一冊。聡明な祖父、病に侵され国内を混乱に導いた父の跡を継ぎ、フランス国内の権力争いやイングランドとの戦いなど、人々が権謀術数を巡らす中で王としての立場を確立させていく。彼の生涯で大きな役割を果たしたジャンヌ・ダルク、ジル・ド・レ、ジャック・クールなどの説明もあり。2020/04/26
j1296118
1
ブルゴーニュ家・アルマニャック派・イングランド勢・リッシュモンと兄ジャン・ヨランドダラゴンの錯綜するやりとりが楽しくて、一方シャルル当人は色々書かれてはいたのにちょっと印象薄くなってしまい補強の為一頁目に戻る2016/07/05
ダージリン
1
まさに波瀾万丈な人生いう印象。11番目の子供ながら王となり、後のフランスの礎を築いていく。ヘンリー五世が早死にしたり、ジャンヌ・ダルクが現れたり、色んな偶然というか条件が重なっていたことを改めて感じる。それにしても義母のヨランドの才知には感服してしまった。2012/12/15