内容説明
日本と各国の多種多様な“食”の営みから見えてくる、民族の歴史や心象風景。人間の原点といえる“食”を、他者や異文化、そして自らを理解するキーワードとして据えた、歴史学・文化人類学からの食文化再考の試み。
目次
古代の人々と酒
列島の食文化―サケをめぐる文化
日光とうがらし―「日光の社寺」の儀礼における食
韓国の食文化を読む
中国の食文化―古代中国における食を考えるために
清朝の皇帝儀礼と祖霊に供えた食物
カラスと食べ物を分け合う女
オリーヴの地中海
乳を食べる人々―西アジアの乳製品
トルコ料理の世界―オスマン宮廷料理の復元
ローマ皇帝たちの食卓―『ヒストリア・アウグスタ』に見る
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ピオリーヌ
5
井上文則氏の「ローマ皇帝たちの食卓ー『ヒストリア・アウグスタ』に見る」目当てで借りたが、とてもいい本だった。食文化から、多様な民族性や歴史性を読み解く本。日本、韓国、中国、トルコ、古代ローマらの様々な食文化がその歴史的背景から語られ、とても面白い。また、参考文献が有益。かつてのオスマン宮廷料理は甘い肉料理ががご馳走であった点が驚き。 2019/10/25
コバ
0
筑波大の教授陣が歴史や民族の観点から見た食文化について解説している。 日光の唐辛子や韓国、中国トルコ料理など範囲は幅広い。 現在各地で食べられているものに、どのような歴史的背景があるのかを理解することが、その民族や文化を理解することにも役立つ。2024/06/16