内容説明
迷路のごとき日々、30代半ばからの詩的結実555首。
目次
1
鳥取部
2
砂鉄
3
4
花の咲く頃また会いましょう
5
叔父さん
6〔ほか〕
著者等紹介
松村正直[マツムラマサナオ]
1970年東京都町田市生まれ。1997年「塔短歌会」入会。2003年短歌評論同人誌「D・arts(ダーツ)」創刊に参加(10号で終刊)。2010年評論集『短歌は記憶する』出版(第9回日本歌人クラブ評論賞受賞)。「塔」編集長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はち
6
再読。時折現れる非現実的な歌も面白い。人魚のオスの肉が安いという歌はおそらく何かの比喩だと思うのだけれど。2015/07/09
はち
6
塔短歌会の編集長、松村さんの歌集。鶴見線の歌には驚いた。なんとマニアックな!あとマニアックさと言えば「つち•きぬた•あぶみ ちいさな骨たちが伝える秋の風のふるえを」なんて耳のこと知らなかったら分からないだろうな。聴覚に訴えかける歌。2015/02/21
とり
4
「花の咲く頃また会いましょう」では静かに、「静かな職場」では慟哭のように、死がうたわれている。淡々としていながら、読んだ後に深く心に残る。良いなぁとおもう。2016/12/02
浦和みかん
3
30代は良くも悪くも「立場」がはっきりしてくる年齢と思う。歌集の中では特に立場というものが難しい仕事の歌が印象的で、その周りに人の死や、子の成長、親の老い、自身の離職などが置かれる。帯文の「迷路のごとき日々」に頷く。大きな連作が多く、かつ読ませるので、555首があまり多く感じなかった。<蛇口より時おり落ちる水音の、立場が人をむずかしくする><人の名を書いては消して疑いの森はひとりで歩みゆくもの><とろとろと飲めば身体は楽しくて湯舟にもなり迷路にもなる>2018/12/20
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