内容説明
仁政イデオロギーの波及や華夷意識の変容をキーワードに19世紀におけるアイヌ統治政策を分析し、異民族支配を可能にした統治イデオロギーや近世的世界観の変容を明らかにする。
目次
第1章 統治への序奏―安政元年蝦夷地調査
第2章 蝦夷地の再直轄―移植民政策とアイヌ統治
第3章 復興イデオロギーと蝦夷地―地方巧者と報徳仕法
第4章 アイヌ統治政策への倒錯した批判―松浦武四郎と『近世蝦夷人物誌』
第5章 アイヌをめぐる支配の動揺―トコンベ出奔事件
第6章 「国境」の発見と領土交渉―久春内幕吏捕囚事件と小出秀実
第7章 アイヌ統治・アイヌ観の変容―アイヌ墳墓盗掘事件
第8章 開拓使のアイヌ統治政策と暴力―樺太アイヌ対雁強制移住政策を中心に
補論 新たな周縁の再生産―笹森儀助の行動と思想
著者等紹介
檜皮瑞樹[ヒワミズキ]
1973年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士課程満期退学、博士(文学)。現在、早稲田大学大学史資料センター助教(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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