内容説明
これまで、戦前から戦後への転換は、帝国憲法体制と日本国憲法体制の断絶として語られてきた。しかし、敗戦のインパクトがいかに大きいものであっても、その強度をはかるには、戦前・戦中社会と戦後社会との連続面をみていかなくてはならない。本書は、その連続面を帝国日本における主権や人権、立憲主義といった近代特有の働きから考察する。そのなかから帝国憲法体制とは何であったのかを再考し、さらに戦後の日本国憲法体制の意味をも明らかにする。
目次
序章 主権論の地平と新たな歴史学にむけて
第1章 危機のなかの立憲主義と国体の創造
第2章 非常時の革新と憲法を超える天皇
第3章 帝国日本のなかの「生存権」の起源
第4章 日本国憲法の成立と美濃部達吉の八月革命説
第5章 憲法制定権力の世界と人権主体
終章 「永遠の戦争」と人権主体、そして戦後日本へ
著者等紹介
林尚之[ハヤシナオユキ]
1977年生まれ。大阪府立大学大学院博士後期課程修了、博士(人間科学)。現在、日本学術振興会特別研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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