内容説明
大正デモクラシーを言論でリードした吉野作造。だが、彼は帝国主義者、反帝国主義者、「帝国」論者と論じられ、評価は定まっていない。彼についての錯綜した評価はなぜ生まれたのか、そして本来は、どのような目的をもち、いかなる構造にあったのか。東アジア国際政治を背景とし、日付のある思想史を方法として、近代日本のリベラリズムの国際政治論が読み解かれる。
目次
序章 吉野作造と現代の「希望」
第1章 吉野作造の国際政治論における基本原理と目標
第2章 「四海同胞主義」と「民族生存」論の登場―日露戦争より第一次世界大戦期
第3章 「漸進主義」の矛盾―ワシントン体制編成期
第4章 日中提携論への統合―中国国民革命期
第5章 「根本の政策」の試練―満洲事変期
終章 「民族生存」=「四海同胞」のアジアへ
著者等紹介
藤村一郎[フジムライチロウ]
久留米大学、西南女学院大学などで非常勤講師をつとめ、2010年に長江師範学院外国語学院講師(中国重慶市)、現在、久留米大学比較文化研究所研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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