内容説明
「王政復古クーデター」によって発足した新政権は、「公議」「公論」を掲げることで、新体制の確立を模索した。しかし、その道は平坦ではない。戊辰戦争に続く農民一揆や尊攘派などの反政府運動、政府内の対立が深刻化した。そして藩体制の解体と新たな国家体制の創出が大きな課題となっていく。廃藩置県による中央集権体制創設へと向かう激動期を多様なテーマから分析し、維新期の新たな時代像を提示する。
目次
総論 維新政権の創設―維新研究の今日的課題
1 戊辰戦争の軍事史
2 草莽と維新
3 東京奠都と東京遷都
4 公議所・集議院の設立と「公議」思想
5 明治初年の太政官制と「公議・公論」
6 開明派官僚の登場と展開
7 府県の創設
8 版籍奉還と廃藩置県