内容説明
かつて、われわれはデモクラシー再生の劇薬を使ってしまった…。デモクラシーを再生させようとする試みは、なぜ近衛新体制に帰結したのか?激動の昭和戦前期における錯綜した思想状況を解きほぐす。
目次
序章 近衛新体制の歴史的位置と現代歴史学
第1章 戦前日本のデモクラシー―矢部貞治の政治思想
第2章 天皇機関説後の立憲主義―黒田覚の国防国家論
第3章 二つの知性と新体制運動
第4章 近衛新体制期における自由主義批判の展開―「新体制派」と、精神右翼・自由主義派のナショナリズム
第5章 「大東亜共栄圏」思想の論理とその帰結
補章 「新体制派」の視点からみた恒藤恭―広川禎秀著『恒藤恭の思想史的研究』をめぐって
終章 自由主義は克服されたか?
著者等紹介
源川真希[ミナガワマサキ]
1961年生まれ。東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得、博士(史学)、現在首都大学東京オープンユニバーシティ、東京都立大学人文学部准教授。主要著書は、『近現代日本の地域政治構造―大正デモクラシーの崩壊と普選体制の確立』(日本経済評論社、2001年。第28回財団法人東京市政調査会藤田賞奨励賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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