内容説明
満洲国とは、帝国日本にとっていかなる存在だったのか。本書は植民地朝鮮との相関関係を中心に、満洲国統治を植民地帝国日本のなかに位置づけ、その構造を明らかにする。日本・韓国・中国における満洲国・植民地研究の最新成果をふまえ、満洲国統治機構の運営実態や権力構造、日本本国・植民地朝鮮との構造連関、そして越境していくヒト・モノ・カネとそれによって変容する中国東北社会の姿などを分析、新たな日本「帝国」像を描き出す。
目次
第1部 東アジアの歴史認識と満洲国(日本における満洲国研究の動向;韓国における満洲・満洲国研究の動向;中国に於ける満州国時期研究の動向)
第2部 満洲国統治機構の形成と治外法権撤廃(満洲国における憲法制定問題;満洲国治外法権撤廃と満鉄;満州国時期の領事館警察と中共満州省委の都市工作―ハルビンを事例にして)
第3部 満洲国期の在満朝鮮人問題(「満洲国民」の創出と在満朝鮮人問題―「五族協和」と「内鮮一体」の相剋;満洲国時期在満朝鮮人の「対日協力」―ハルビンを事例に;満州国期朝鮮人の自我意識と日常生活―関東憲兵隊『通信検閲月報』を中心に)
第4部 満洲国と朝鮮植民地支配―その構造連関(満洲国期の満鉄と「日本海ルート」;満洲国と帝国日本の異法域統合)
著者等紹介
田中隆一[タナカリュウイチ]
1967年生まれ。大阪大学文学部卒業、大阪大学大学院文学研究科修了、博士(文学)。日本学術振興会特別研究員PD(京都大学人文科学研究所)、(財)日韓文化交流基金訪韓フェロー(ソウル大学校韓国文化研究所)を経て、現在、東南保健大学(韓国)講師、学習院大学東洋文化研究所客員研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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