感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くさてる
17
題名から想像する内容の通りといえばそうなのだけど、それ以上に「ちがい」がある子を育てること、「ちがい」を抱えた子が生きることの意味まで広い視点から問いかける、読み応えある内容だった。「神童」が取り上げられていることの意味よ。親たちの語る子との生活の内容はとてもリアルで、生々しく、単純ではない。でも、苦しいだけではない。人間の持つ力を見せつけられたような圧倒的な読後感でした。そしてそもそも「ちがい」がない子って何だろう?そんなことまで考えました。おすすめ。2022/08/24
原玉幸子
14
例えば、自閉症と統合失調症の医学的見地からだけではなく社会生活者としての違いに関し、著者が本人と家族と数多く、又期間長く会話をして収集したルポの説得力は、大きい気がします。書名は『子と親の物語』ですが、実は本書の主題は「親であるということ」と「愛情とは」を問うている気がし、彼らを通じて知った其々の社会の一面から、それらを改めて考えさせられました。本書に登場する米国の親達が社会や制度を変えていくパワーは凄く、必然的に「ちがい」がある子に対しての視線や情感は、日米で異なるのかも知れません。(◎2023年・春)2023/02/17
みみりん
9
病気や発達障がいのある子どもを育てる親と接することがあったのでその困難さは少し知っていた。ただほんの少しに過ぎなかった。本書にもあるが特に母親が病で倒れるのは疲労や精神的負担が多く心休まることが少ないからだろう。多くの家族が紹介されているが壮絶な人生だ。途中でもう読み飛ばしたくなるほど。自分や自分の家族に何も無かったことに感謝してしまうが誰でも可能性があるのだからこのような家族も安心して生きていかれるようなしくみをしっかり作らなくてはいけない。2022/09/06
art_mr
5
神童以外のほぼどの親も、その子を育てるのに生きがいを見出しているのが本当に尊敬に値すると思う。自分だったらできるだろうか…死ぬまで育児が続くのかと想像すると… 神童の神童たるエピソードの桁が違いすぎて衝撃。親の人生はまたここで子供のついでになってしまうのだな。2022/08/12
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3
多数派とは違いがある子どもと親の物語、どれも心に響きます。 この巻では、特に神童って想像が付かなかったので、興味深かった。2022/06/05