出版社内容情報
改ざんされた「日本書紀」を読み解く鍵は「万葉集」にあった! 本書では、これまで編者のミスとして見過ごされてきた万葉集の変則表記や異例記述をもとに、王朝時代の権力闘争の中で失われつつあった日本の正史に迫ります。
内容説明
元・毎日新聞記者がたどり着いた天智天皇の信じがたい実像とは。「万葉史観」=日本版ダ・ヴィンチ・コードが誘う皇統譜の捏造。
目次
3章 斉明七年の皇太子二人(皇太子が二人いた斉明朝;斉明七年に皇太子がわたり歩いた宮殿;筑紫に宮殿をおいた称制天智;宮殿をうつす「遷」、うつる「移」)
4章 『善隣国宝記』は語る(書紀捏造をあばく『善隣国宝記』;日本書紀と対立する文献の扱われ方;飛鳥京へ行けなかった唐使)
5章 長屋王と万葉史観(長屋王の栄光と敗北;歴史を創作した不比等;歴史改ざんを修正する『類聚歌林』;万葉史観の仕組み)
終章 権威を疑う
著者等紹介
渡辺康則[ワタナベヤスノリ]
1950年、静岡県生まれ。慶応義塾大学経済学部卒。1974年毎日新聞社入社。新聞記者として長崎支局、福岡総局などを経て、『サンデー毎日』編集部編集委員、『PC倶楽部』編集長、データベース部長などを歴任。現在は作文教室くだん塾主催(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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松本直哉
18
苦手だった日本古代史が面白いと思えた。中大兄の筑紫王朝と大海人皇子の倭王朝の対立はまるで南北朝時代みたいだ。系図を改竄して無理矢理前者を後者に繋げて万世一系に見せかけた藤原不比等の日本書紀、不比等への異議申し立てとしての長屋王の主導のもとでの書き換え。学校で習った歴史の常識がガラガラと崩れる。結果的に権力闘争に勝った藤原氏の手前勝手な歴史観がその後1200年間日本を支配して百田某まで続いているわけだ。歴史はつねに勝者の都合のいいことしか書かない。権威ある定説を一つずつ丁寧に覆す著者の手つきに感心した。2019/01/06
nori
5
If this is a mystery, Why, Who and How are clarified. But there may not be not enough digging of possibility. Could they change history just 50 years ago? There is another strange; 古事記 which was completed in near time frame as 日本書紀 is not evaluated. 2014/07/01
ぽっぽママ
3
古代には畿内の倭王権と筑紫王権があり天智は筑紫の王であり白村江の戦で負けたのも筑紫である。ありうることかも。日本書紀をうのみにしてはいけないというヒントをくれているのが万葉集であり、学者たちの定説、通説は信じてはいけないという話。真実がわかる日は来ないだろうな。少しずつわかってきたこともあるけれど。古墳の中に何が隠されているんだろう。見てみたい。2014/05/27
mimm
2
下巻の前半は万葉集を離れ、紀や海外の文献がメインだったので理解するには力不足でした。無念。万葉集はあくまでも読み解くコードということで。で、疑問。天智天皇は結局何者なの?長屋王は自らの血を否定する告発歌集を作ったの?すっきりしないまま読了。でも権威を疑うことには思い切り同意。むしろ害だよね、権威って。2019/04/20
紫草
1
もし本当にこうだったのならびっくりという、新しい古代史ですね。私は専門家じゃないから真偽はわからないけど、研究者の人が書いた本に比べると論の進め方、詰め方が粗い気がして、なかなか納得できない部分も多かったです。2014/11/21
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