内容説明
挫折と苦悩の半生の記『花に逢はん』を著して、ハンセン病問題の語り部となった伊波敏男は、「すべて国民は、個人として尊重される」という人権精神や、沖縄問題の根底にある歴史と文化と沖縄人の心を見据えて、「にが世を、あま世になす」未来を拓くために切々と訴える。平和という春べには、いまだ遠い軍事基地の重みに耐えつづける沖縄の島を、日本及び日本人はどうすべきなのか、と。在所信州の「千曲川の辺から」、産土の地「沖縄へ」、そして本土に向かって発信を続ける「地方に住む一物書き」が綴る真摯な記録!
目次
わが道を―年代記(二〇〇四年)
命どぅ宝―遠い記憶と過ちの記録、過去を未来へ(二〇〇五年)
時代を紡ぐ糸―永遠の現在(二〇〇六年)
流れに抗いて―また陽は昇る(二〇〇七年)
我々は何者か―沖縄の自己同一性、主体性について(二〇〇八年)
月桃がもう咲く―小さき者の視座から(二〇〇九年)
欺瞞の饗宴を超えて―平和と人権、そして環境を守るために(二〇一〇年)
あの黒い海が―東日本大震災、悲しみと苦しみのむこうに。(二〇一一年)
切実な希い―東北再生・脱原発・沖縄問題と。(二〇一二年)
少年は怒っている―民主主義とは何か平和とは何だろうか(二〇一三年)
“沖縄よ何処へ”―万国の津梁(架け橋)となし。(2014年)
著者等紹介
伊波敏男[イハトシオ]
1943(昭和18)年、沖縄県生まれ。作家。人権教育家。長野大学客員教授。NPO法人クリオン虹の基金理事長。ハンセン病療養施設「沖縄愛楽園」、鹿児島県の国立療養所「星塚敬愛園」を経て、1961(昭和36)年、岡山県の「県立邑久高等学校新良田教室」に入学。その後、東京の中央労働学院で学び、社会福祉法人東京コロニーに入所。1993(平成5)年より約3年間、東京コロニーおよび社団法人ゼンコロ常務理事を務める。1997(平成9)年、自らの半生の記『花に逢はん』(NHK出版)を上梓、同年12月、第18回沖縄タイムス出版文化賞を受賞。2004(平成16)年より、長野県上田市で信州沖縄塾を主宰し、塾長となる。2007(平成19)年11月、伊波基金日本委員会を創設(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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