内容説明
“退潮への道”はラディカリズムによって敷き詰められていた。左翼的ラディカリズムとその限界を衝いて十年、左翼が左翼を嫌いになる納得の一冊、更に輝きをまして幻の名著が今甦る!!
目次
1(思考のラディカルさは安易に評価できない;わかりやすく暴力をふるえばラディカルなのか ほか)
2(バカこそ尊いのだ、となるとすぐに崩壊するのが論壇;ほんとに逃げ続けると余計に不毛になる ほか)
3(トークセッション中止騒ぎの顛末;「どうでもいいおしゃべりしてますね」で済む話 ほか)
4(「ふり」をすててウケに走ると2ちゃんねらーになる;もともとそういう素質のある人間が2ちゃんねらーになる ほか)
5(仲正が教える喧嘩の技術とは;抽象的に「金で魂を売った」からといって賄賂をもらうわけじゃない ほか)
付録 対談 小阪修平「全共闘と新興宗教」
著者等紹介
仲正昌樹[ナカマサマサキ]
1963年、広島県呉市出身。1996年、東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程修了(学術博士)。1995~1996年、ドイツ学術交流会、給費留学生としてマンハイム大学に留学。帰国後、駒澤大学文学部非常勤講師(哲学・論理学)などを経て、2004年、金沢大学法学部(現法学類)教授。以来現在にいたる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ころこ
32
『ポスト・モダンの左旋回』と同じ系譜にあるサヨク批判本です。もっと原体験に遡れば、『Nの肖像』にある通り、自分の内なる問題意識であり、それが信仰として表れたものに対する近親憎悪ではないかということに気付きます。共同体べったりで、商売しか考えていない右に対して、モノを考えている左という対立はとっくに過ぎ去り、今や右が左の思想を取り込んで政策実現してきており、知的水準ではそこまで見劣りしない。左側は従来のやり方を彼らが保守していると言われる有様で、ラディカルとは、本来その立場自体を更新していくものではないか。2019/09/04
toiwata
2
李氏朝鮮の政争のような「運動」の https://ja.m.wikipedia.org/wiki/鳥獣人物戯画 に似た bizarre な性質。ラディカルであるということの「矛盾」。<<自分が英雄になれるよう無理に話を組み立てているので、死ぬほど単調な繰り返しになるのも当然である。>>p.11 強烈な一撃。2017/02/18