内容説明
「国家なき社会」は、なぜ「国家なき社会」なのか。それは、その社会が「国家に抗する社会」だからである。その社会が、国家を忌み嫌い、祓いのけてきたからである。つまり政治は、国家以前にも存在するのであって、国家は政治のとりうる形態のひとつにすぎないのだ。ようするに国家は、クラストルによって、その玉座から転げ落ちたのだ。
目次
ミゲル・アバンスールによる序文 ピエール・クラストルの声
ピエール・クラストル インタビュー
断絶のパッション―ピエール・クラストルとその「事後効果」(解題 酒井隆史)(ピエール・クラストルとはだれか?;『反‐神話』誌インタビューの文脈―「社会主義か野蛮か」、アバンスール、クラストル;政治のコペルニクス的転回と反・ホッブズ―ミゲル・アバンスールとクラストル ほか)
著者等紹介
クラストル,ピエール[クラストル,ピエール] [Clastres,Pierre]
1934年パリに生まれる。フランスの人類学者。ソルボンヌ大学でヘーゲルとスピノザを研究し哲学を修め、1956年以降、クロード・レヴィ=ストロースの学生として人類学の研究をはじめる。さらにアルフレッド・メトロの指導のもとに南アメリカをフィールドにした政治人類学研究を開始。その後、高等研究院教授となる。1977年7月、その影響力のきわみにあるなか、自動車事故によって他界した
酒井隆史[サカイタカシ]
1965年生。大阪府立大学教員。専門は社会思想、都市史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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