内容説明
新生児マス・スクリーニングとは、赤ちゃんに先天的な疾患があるかどうかを検査し、治療する医療事業のことである。現在、ほとんどの新生児が、この検査を受けている。しかし、もし子どもに疾患があった場合、その親は、疾患の遺伝情報の保因者として、疾患をもつ子を再び産むリスクのあるひとだと見なされる現実もある。子どもの検査とされながらも、親の遺伝情報の管理=出生防止としても機能してきた歴史を明らかにする。
目次
序章 この本について、背景について
第1章 新生児マス・スクリーニングはどのように始まったのか
第2章 新生児マス・スクリーニングと特殊ミルク
第3章 新生児マス・スクリーニング、出生前診断、そしてDNA診断へ
第4章 新生児マス・スクリーニングへの抗議
第5章 タンデムマス法はどのように導入されたのか
終章 親の遺伝情報の検査
著者等紹介
笹谷絵里[ササタニエリ]
1982年生まれ。博士(学術)。現在、花園大学社会福祉学部専任講師。専門は、小児保健、医療史、生命倫理(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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