内容説明
アマゾンの視点からみれば、動物もまた視点であり、死者もまた視点である。それゆえ、アンチ・ナルシスは、拒絶する―人間と自己の視点を固定し、他者の中に別の自己の姿をみるナルシス的な試みを―。なされるべきは、小さな差異のナルシシズムではなく、多様体を増殖させるアンチ・ナルシシズムである。動物が、死者が、人間をみているとき、動物が、死者が、人間であるのだ。ブラジルから出現した、マイナー科学としての人類学。
目次
1部 アンチ・ナルシス(事象への驚くべき回帰;パースペクティヴ主義;多自然主義;野生の思考のイマージュ)
2部 人類学的視点から読む『資本主義と分裂症』(奇妙な相互交差;多様体の反‐社会学;すべては生産である)
3部 悪魔的縁組(捕食の形而上学;横断するシャーマニズム;システムの強度的条件)
4部 食人的なコギト(概念のなかの敵;構造主義の生成)
著者等紹介
カストロ,エドゥアルド・ヴィヴェイロス・デ[カストロ,エドゥアルドヴィヴェイロスデ] [Castro,Eduardo Viveiros de]
1951年、ブラジル・リオデジャネイロ生まれ。アマゾンの先住民アラウェテの社会を研究する文化人類学者、民族誌学者。リオデジャネイロ連邦大学ブラジル国立博物館教授。社会科学高等研究院、シカゴ大学、ケンブリッジ大学などでも教鞭をとる。人類学と哲学のあいだを横断し、アメリカ先住民のパースペクティヴ主義や多自然主義といった概念に依拠しながら、野心的な研究をつづける
檜垣立哉[ヒガキタツヤ]
1964‐。現代フランス哲学、日本哲学、生命論を専門とする。博士(文学)。大阪大学大学院人間科学研究科教授
山崎吾郎[ヤマザキゴロウ]
1978‐。文化人類学を専門とする。博士(人間科学)。大阪大学未来戦略機構特任准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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