世界を騙しつづける科学者たち〈下〉

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  • サイズ B6判/ページ数 325p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784903063539
  • NDC分類 402.8
  • Cコード C0020

内容説明

温暖化、オゾン層、核戦略。彼らの嘘が世界を動かす。40年間にわたって全人類的課題についてニセ情報を流し、対策を遅らせてきた科学者たちの暗躍を描く、衝撃の書。

目次

第5章 「悪い科学」とは?誰が決めるのか?―二次喫煙をめぐる戦い(二次喫煙の歴史;悪い知らせをもたらすものへの非難―EPAに対する業界の攻撃;自由企業体制を守るためのタバコをめぐる戦い)
第6章 地球温暖化の否定(一九七九年―気候にとっての転換の年;組織的な遅延―金米科学アカデミー(NAS)による第二、第三の評価
「温室効果」に「ホワイトハウス効果」で対応
原因は太陽に
ロジャー・レヴェルへの攻撃
さらに積み重ねられた否定)
第7章 否定ふたたび―レイチェル・カーソンへの修正主義者の攻撃(『沈黙の春』と大統領科学諮問委員会;政治的戦略としての否定;オーウェル的な問題)
結論 自由な言論と自由な市場(科学のポチョムキン村;言論の自由と自由市場;市場原理主義と冷戦の遺産;テクノロジーはわれわれを救えないのか?;テクノフィデイズム;なぜ科学者たちは抵抗しなかったのか?)
エピローグ 科学の新しい見方

著者等紹介

オレスケス,ナオミ[オレスケス,ナオミ][Oreskes,Naomi]
カリフォルニア大学サンディエゴ校教授。専門は科学史。『サイエンス』誌に掲載された“Beyond the Ivory Tower”(象牙の塔を超えて)は、地球温暖化否定論に対する戦いの里程標となった

コンウェイ,エリック・M.[コンウェイ,エリックM.][Conway,Erik M.]
NASAジェット推進研究所(JPL)の研究員

福岡洋一[フクオカヨウイチ]
1955年生まれ。大阪大学文学部卒(英語学)。翻訳者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

がらくたどん

18
面白い本だと私は思う。科学的知見が特定の政治経済活動への抑止力となりうる場合にその知見を無力化する「知見の不確実性キャンペーン」が始動する様をダイナミックに描いた科学史論。知見の蓄積は現状での「ほぼ確実とみなされる合意」は生めるが必ず検証を待つ未知の部分は残る。それは発展の余地でもあるが不確実な部分でもある。その不確実性を突いて、知見自体信じるに足らず現状の政治経済活動で大丈夫ですよと言われたら煙草もガソリンも我慢しないで買おうかな~となる訳だ。凄腕商人。原題の「疑念を売る人々」の方がしっくりくるかも。2021/09/09

CCC

9
既得権益や認知的不協和と結びついた不健全な懐疑論の問題を取り上げている。程度の「わからない」を本質的に「わからない」の意味にすり替えたり、重要度の違う話を持ってきて話をずらしたりと、様々な方法で疑惑を売り込む。その目的は妥当な答えを出すことではなく、論争がある状態を維持すること。問題が素人目には判断不能な状態では、問題対策のコンセンサスが取れなくなる。結果対策のための規制がなくなり、害は広がる。対策は安易な両論併記をやめること。こんな感じだろうか。まあ啓蒙書ですね。環境問題の裏事情史でもあるか。2021/03/31

むとうさん

5
下巻は、受動喫煙、温暖化、カーソン批判再来。メインで出てくる4人が軒並み物理学者なのが興味深い。彼らにとって「新発見」の精度は高くないといけないのかもしれない(例:ヒッグス粒子)結局この本に出てきた問題って「科学コミュニケーション不足」に帰着するんだろうけど、どうも最後にチョッと出てきただけだった。さらに言えば著者たちは「政府の失敗」という言葉を知らないんだろうか?結果的に政府規制がうまく行ったことと、環境問題の市場での解決の主張を(事後的に)非難することの間には天と地の差があるよ。2012/11/02

ヨンデル

4
「上」巻を読んだ時にはあまり興味がわかなかった。「下」巻を読んで得るところが多かった。私は科学者というのは全員善良で良心的で優れた知能の持ち主、何を訪ねてもすべて答えてくれる一般大衆とはかけ離れた人たちの集団だと思っていた、ところが違っていた。欲望もあり、自己顕示欲もある普通の人と同じように思えた。資本主義社会で彼らも生活しているから、資本家に取り込まれている科学者もいる。また、偏ったイデオロギーに凝り固まっている科学者もいる。2023/08/23

GASHOW

4
科学については、ある程度の期間がすぎると定説が裏返ることもあるので、常に疑いの目をもたないといけない。温暖化が問題となっているが、地球の間氷期であるので、氷河期にもどることのほうがやばい気もする。ただ、 証拠がそろい切らなくてもわかることってあるよね。森林を焼き続ければ森はなくなるし、海に汚染物質をながしたら汚れる。ラスト2行に凝縮されている。そんなことわかるでしょ。2016/02/16

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