内容説明
日本の旧石器遺跡捏造事件、英国のピルトダウン人事件など、古今東西の詐欺事件を批判的にとりあげながら、歴史上の「ニセの謎」を排し、「真の謎」に迫る。定評ある古代史入門書。
目次
第１章 科学と疑似科学
第２章 認識論―何かを知っているとはどういうことか
第３章 考古学における捏造の構造
第４章 ドーソンのドーン・マン―ピルトダウン事件
第５章 アメリカを発見したのは誰か
第６章 マウンドビルダーをめぐる神話
著者等紹介
フィーダー，ケネス・Ｌ．［フィーダー，ケネスＬ．］［Ｆｅｄｅｒ，Ｋｅｎｎｅｔｈ Ｌ．］
１９８２年にコネティカット大学で人類学の博士号を取得、現在はセントラル・コネティカット州立大学人類学部教授。ニューイングランドの考古学を中心に研究し、ファーミントン川考古学プロジェクトを設立してコネティカット州中北部で調査を進めているほか、一般の人々が人類の過去をどのように理解しているかを分析することにも興味を持つ
福岡洋一［フクオカヨウイチ］
１９５５年生まれ。大阪大学文学部卒（英語学）。翻訳者（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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tama
9
図書館本 書架で見つけて 大変興味深くかつおもろい！考古学人類学の先生が、妄想歴史に嫌気がさしてこれでもかと、やっつけてる本。ルターの言葉「教会のために」が怖い。アメリカの科学者3200人の15%は「都合の悪いデータは同僚に見せなかった」。日本の「技術屋」も「テストで壊れたなんて報告するわけない」と私に語ったことがある。日本人が「神の手」で登場。自ら進んで偽歴史を肯定するのは「偽歴史の方が心地よいから」。アメリカインディアンの話はあまりにも気の毒。下巻も読むぞ！2017/01/11
印度 洋一郎
4
日本で言うと、「と学会」本みたいな内容を、アカデミックに(しかも平易な語り口で)語る好著。歴史上、”現実には存在しないのに、存在する”という捏造(又は誤解)されてしまった事例をひも解きながら、人間がいかに歴史を曲解したがるかを分析していく。人類の祖先が発見されない大英帝国のコンプレックスが生みだしたピルトダウン人、ネイティブ・アメリカンが高度な建築物を生み出すはずがないという偏見が生みだしたマウントビルダー、どれもこれも人々が「かく、あられたし」と考えた歴史観の産物だ。結局、人間は見たいものを見るだろう。2010/10/20
渓流
4
売るには中々良く出来た日本語題。でも原題の『欺瞞、作り話、謎 －考古学の科学と似非科学』が本書の内容に即している。そして、本書の狙いは、前書きで言う通り、「考古学分野の笑いを誘うような捏造、神話、謎を素材として、我々が科学を通じ、どうすれば過去に起きたことで何が本当かを知りうるか」を示すこと。その素材に、日本の藤村真一の石器捏造や英国のピルトダウン人等が遡上に上げられ、捏造の有様が縦横に語られ面白くあるが、この本の真の面白さは、なぜ、人は捏造に駆られるのか、それを超克するにはどうするか、を考えさす点にある2010/02/27
OKKO （o▽n）v 終活中
2
図書館 ◆やだもうおもしろすぎ～♪ しかも第1章と第2章は、人文科学系、つまり文系のへなちょこ研究者への盛大なエールでしょう！！ ああ、どうしてこういうふうにスパッと教えてくれる先生って日本に少ないのかしら？ ってか、私が三流航路を歩きすぎたのが悪いのか（笑） いやでも著者のおそらく優秀な教え子である欧米の大学生があまりにもトンデモなのでびっくりだ！ ◆こりゃ購入せねば！ えっ、Amazonでなんと激安300円で美本の上巻発見。うーもっとみんな奪い合って読まなきゃいけない一冊のような気がするが……特に上巻2014/09/19
ヨコイチ
2
考古学での捏造や作り話、伝説などを例題に、科学的な思考とは何かと論ずる。藤村氏のねつ造事件が結構詳しく取り上げられていて意外だった。アメリカでも話題になったのかな。「アメリカ大陸を最初に発見したのはだれか」という項に最も多くページを割いていたのが興味深い。2010/11/29
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