目次
はじめに 仁の人、義の人、信の人安重根
安重根自叙伝(私の父祖の業績;天主教の宣教活動;諸事件に遭遇する;さらに個人的なトラブル;保護条約に対する悲憤;風雲急を告げる;破局、それとも序局?)
東洋平和論
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒトコ
4
長州ファイブつながりで、伊藤博文を暗殺した安重根の自叙伝を読んでみた。そもそも彼の名は学生時代に習ったのかもしれないが記憶になく、覚えたのは10年くらい前だ。しかも本書を読むまで、愛国の血気盛んなだけの若者だと思っていた。決起時30才の妻子持ちで若年より義士を率いた活動家で、キリスト教徒でもあった事に驚いた。しかし、伊藤博文を敵視する理由はわかるが、やたらな暴挙で欧米ロシアの付け入るスキを与える危険を説き、キリスト者でもあった彼が、何故伊藤を撃つに至ったのか、その心情は読み取れない。2015/01/19
ハンギ
0
カトリック教徒の安重根は東洋平和を志し、ゲリラ部隊を指導・指揮した義士だった。第一、彼は伊藤博文を殺したとはいえ、反日ではない(伊藤が天皇をたぶらかして日本帝国を私物にしていると非難しているし、捕虜にした日本兵を感化し釈放している)。その思想の一端を垣間見せてくれて勉強になった。アジアの融和、平和は現代においても未だ解決しておらず、まだ大きな課題なので安重根から学ぶものもあるかもしれない。東洋のチェ・ゲバラみたいな人だと思った。足跡を残したところも、上海やウラジオストクに及ぶ。 2012/06/17
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- 総点検・日本海軍と昭和史