感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ksh
11
奇怪な屋敷に間借り人として住うことになった人々と職員たちとの不条理劇といっていいのだろうか。仔細に語れば語るほどに抽象的なものになる間借り人と職員たちの関係についての考察はこの世界の不可解さに拍車をかけている。段々と読み取れることが出来なくなってくる。語る者が語りの不可能性のなかにどんどんとはまっていく様がそこには描かれているともいえる。カフカ的だが、それ以上に意味性を欠いているのではないか。延々と続く、独白や問答から得られるのは読むことが永遠の彷徨だということを示しているようでもある。2016/12/25
mstr_kk
7
初めてブランショの小説を読みました。あらすじを見た時点で、「これは絶対、僕の好みドンピシャだ」と思いましたが、予想どおり、いや予想以上にひたっすら面白かったです。カフカ、ベケット、ロブ=グリエの好きなところを延々と味わうことができて、僕にとっては、とめどなく面白いだけの音楽的エンターテインメントですらありました。難しいことなど皆無でした。2024/01/29
kyohei
2
カフカ『城』のような話ですが、なんとブランショはこれを書いた時には読んでいなかったとか(訳者解説でのサルトル書評)。「彷徨」という感じはこちらの方が強烈で、しかも改ページなしで322ページ続きます。いわゆる「外の思考」とか言われる話を聞いていれば読みやすいかもしれないが…2011/09/05
あかむ
0
アミナダブはユダヤ名で、旧訳のロト家か、もっと始めかどっちかにいた、アダムの一族だったが、なにを、どこの地域のことか?拙く闇にまぎれてゆき、女は奪われてゆく。2014/09/01
笠井康平
0
カフカがコメディならこっちはサスペンス。2011/03/28