憂い顔の『星の王子さま』―続出誤訳のケーススタディと翻訳者のメチエ

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憂い顔の『星の王子さま』―続出誤訳のケーススタディと翻訳者のメチエ

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  • サイズ B5判/ページ数 255p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784902854305
  • NDC分類 857.5
  • Cコード C0085

内容説明

よい翻訳とは先ず第一に正しい翻訳であること。『星の王子さま』を真摯に愛する読者のために、「定番」内藤濯訳と、新訳14点を具体的に検証。問題箇所を理解して、あなたの『王子さま』を笑顔に変えるガイドブック。

目次

第1部 批評はハッタリか?(『星の王子さま』はオトナのための小説か?;ボアはボアだ;「飼いならす」とは「絆をつくりだす」こと)
第2部 翻訳者の務め(翻訳批評のルール;「印象訳」という煙幕;「翻訳者=演奏家」の陥穽)
第3部 憂い顔の『星の王子さま』

著者等紹介

加藤晴久[カトウハルヒサ]
東京大学・恵泉女学園大学名誉教授。元日本フランス語教育学会会長、国際フランス語教員連合副会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

マリリン

38
おつむが云々の言葉から人間性を疑いたくなったが、読了後は妙な愛おしさが残る。初級フランス語の理解の問題だと懇切丁寧に翻訳者の間違いを指摘している。2006年11月現在15名の訳者の名前が記され加えて読む側の反応のパターンも書かれている(池澤訳BD版と大久保訳へ言及も読みたかった)。特に第1部 批評はハッタリか?、-3の「飼いならす」とは「絆をつくりだす」こと、第Ⅱ部 翻訳者の務め-3「翻訳者」=「演奏家」の陥穽..、比較した訳に〇×付の第Ⅲ部 憂い顔の『星の王子さま』は、なるほど...と。 2022/10/14

kei

28
『星の王子さま』の翻訳に一石を超剛速球で投じた一冊。『星の王子さま』は1953年岩波少年文庫から出版され(改版1976年発行)、2005年の独占的出版権の期限以降、次々に出版された日本語訳本は2006年11月時点で最初の内藤訳を含めて15点、ということにまず驚きます(その後も増えています)。それほどに訳し甲斐のある作品なんでしょうね。本書は(『星の王子さま』への愛ゆえに)著者さんが持てる知見で思い切りぶん殴ってくるスタイルなので内藤訳がお好きな方にはちょっとお勧めしづらいです💦2022/11/23

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23
Le Petit Prince は内藤濯訳『星の王子さま』として半世紀に渡り流通してきた。だが独占的出版権の期限2005年以降には新しい翻訳が続々と出版される。それらの新訳を並べて比較、正確な意味を説明していく本書。「出版社が欠陥翻訳の責任を問われない、翻訳公害垂れ流しの実態に一石を投じた」等、各所に書かれた強気な発言、解説でした。内藤先生の訳が好きな私にとって著者の訴えはともかく翻訳の違いがスッキリわかりやすく勉強になりました。2022/07/24

けいご

20
内藤さんの「星の王子さま」は独特な言い回しが心に染み渡ると言う理由で大好きだったのだけれど、池澤・菅・倉橋・河野さんと他の日本語訳を読むにつれこんなにも言葉の意味合いにバラツキが出るものなんだな〜っと思っていました。だから是が非でもサン=テグジュペリの直接の言葉であるフランス語原作を自分で翻訳してやろうっと思ったのだけれど難しくて断念!そんなフランス語の出来ない人にはとても役に立った1冊★2024/04/21

スイ

10
面白かった! 「星の王子さま」の誤訳を、一番浸透している内藤訳を中心に、その後の新訳もかなりの数網羅して指摘の嵐。 かなり口が悪いので、少し読むのが辛くもあったのだけど、私がピンと来なかったところも的確に突かれていて、訳によってこんなに印象が変わって来るのかと驚いた。 著者はかなりの覚悟で書いているのだろう。 英訳まで数冊読み比べていて、英語ではどう訳されているのか見られるのも興味深かった。2017/07/04

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