内容説明
本を開けばよみがえる、インターネットも携帯電話もなかった頃の記憶。京都の人気書店、恵文社一乗寺店店長がこっそり教えるノスタルジー読書法。
目次
本を読む人―『ON READING』ANDR´E KERT´ESZ
スウィート・メモリーズ―『マイナス・ゼロ』広瀬正
映画館の幽霊―『20世紀の幽霊たち』ジョー・ヒル
こっちへおいでラスカル―『ナショナル・ストーリー・プロジェクト』ポール・オースター編
スキャンするのは誰か?―『偉大なる自動文章製造械』ロアルド・ダール
それぞれの1984年―『1Q84』村上春樹
黄昏に流れる音楽―『夜想曲集』カズオ・イシグロ
ジャケットが付いてない音楽と音の鳴らないレコード―『ミンガリング・マイクの妄想レコードの世界』ドリ・ハダー
奇想のデザイナー―『ムナーリの機械』ブルーノ・ムナーリ
寡黙な常連客―『ブックストアニューヨークで最も愛された書店』リン・ティルマン〔ほか〕
著者等紹介
堀部篤史[ホリベアツシ]
1977年京都府生まれ。立命館大学文学部卒業。恵文社一乗寺店店長を務め、書籍やCDのセレクトから店舗運営までを手がける。編集や執筆活動も行い、H.I.S.発行のフリーペーパー“travesia”では企画編集を手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ほほほ
26
京都の一乗寺にある有名な本屋さん「恵文社」の店長・堀部篤史さんの読書エッセイ。漫画から雑誌まで、独自のラインナップ24本。自分では選ばない、知り得ない本ばかり。薄くて小さな本だけど、オリジナリティがあり、中身が詰まっていて、こういう本好きです。さすが本屋さん、ツボをついてくるなぁと思いました。検索エンジンで合理的に情報を得ることより、漫画でも雑誌でも小説でも1冊の本をじっくりと読み、寄り道をしながら、膨大な情報に溺れながら身につけるものの方が貴重だというような堀部さんの考えが伝わってきました。2014/12/02
藤
11
学生のころ、恵文社一条寺店に初めて行った時の衝撃を今も時々懐かしく思い出す。こんなところにいたのか、と一冊一冊が不思議と手に馴染むような感覚があった。先日久々に誠光社に行くと、あの場所よりもっと一冊一冊の輪郭がくっきりしているような感じがした。そんな風に行く度に本という存在にもう一度会わせてくれるような本屋があることに感謝の思いがする。そんな場所に行くとどうしようもなくときめく人なら堀部さんのざっくばらんさと誠実さが滲む言葉からもたくさんの良い出会いを持てるだろう。2018/10/07
JINKO@灯れ松明の火
8
14-76恵文社一乗寺店店長さんの「読むことへの偏愛、読書そのものについての感想文」です。(はじめにより抜粋)様々なジャンルの本を紹介しています。馴染みのないジャンルの本が多く、私が読んだことがあるのは広瀬正さんの「マイナス・ゼロ」だけでした。「ナショナル・ストーリー・プロジェクト」が読んでみたいです!2014/06/06
Toshi
4
京都恵文社一乗寺店店長の堀部篤史さんによる読書エッセイ。「本や、それを読むという行為は他の何かと交換可能なものではない」と著者も語っていますが、本当にそのとおりだと思います。2年前に京都に行った際に恵文社にも立ち寄りましたが、本好きなら何時間でもいられる幸せな空間でした。ここで取り上げられている本も、ケルテスの「読む時間」(On the Reading)から「孤独のグルメ」と幅広く、「ブックストア ニューヨークで最も愛された書店」の紹介で語られる書店への思いには強く共感しました。2020/09/16
aizum
4
面白かった~。前書きが特に良い。古いメディアと新しいメディアを両方使用し愛する気持ちがシンプルに言い表されている。また、本の紹介文がどれも上手く、読書傾向が被っていないわたしでも手に取りたくなるものが多かった。2011/01/08