出版社内容情報
米国の一流資産アドバイザーが愛読する雑誌 Bloomberg Wealth Manager 誌に掲載されたコラムからの厳選集。金融先進国アメリカの最新事情を網羅した、資産アドバイザー(ファイナンシャル・プランナー)必読のシリーズ。
慈善寄付、財産移転、退職プランニング、節税プランニング、ポートフォリオ設計、クライアントとの関係構築、ファミリー・オフィス・サービス、実務管理などさまざまな内容を網羅。
第1章 もの言う篤志家
アン・モンロー
[ファミリー財団の設立]富裕層の篤志家たちが、ファミリー財団を設立したいと相談にやってくる。彼らのために一肌脱ぐ前に、アドバイザーとしては、まず、この制度の長所と短所を把握しておこう。
第2章 私的財団よ、どこへ行く
ロバート・ケーシー
[私的財団]私的財団を公的慈善団体と同じ扱いに、とABAの委員会は主張する。
第3章 当世寄付事情
デボラ・L・ジェイコブス
[ファミリー財団、支援組織、ドナー・アドバイズド・ファンドの設立]富裕層の篤志家が寄付をしようと思えば、方法はいくらでもある。アドバイザーの仕事は、彼らの目的に見合った方法を見つけることだ。
第4章 数字で読み解く慈善団体
ロバータ・ラインズ
[慈善事業に関する情報を明らかにする]これまで、慈善活動に関して信頼に足る財政上の情報を入手するのは至難の業だった。しかし、ガイドスターというウェブサイトのような手段を利用すれば、こうした問題は解決する。
第5章 知っておきたい寄付のコツ
ロバータ・ラインズ
[美術館への寄付]あなたのクライアントに、莫大な遺産を美術館などに寄付したいと言う人はいないだろうか?ちょっと待ってもらいたい。非営利団体への寄付は、クライアントの期待通りに行かないことがある。
第6章 心優しいクライアントのために
メリー・ローランド
[アドバイザーとしての役割]投資顧問会社、ローウェル・ブレイク&アソシエイツは、クライアントの資産をいかす術{すべ}を心得ている。特に、一味違う夢と情熱を持ったクライアントの資産を生かす術{すべ}を。
第7章 アイビー・リーグに学ぶ寄付の集め方
ダン・ロッテンバーグ
[計画的寄付]一流大学が新たな専門家を生み出した。その主たる職務は、母校への寄付を希望する卒業生にファイナンシャルアドバイスを提供することにある。
第8章 組み合わせの妙
スコット・ウェルチ
[信託と株式連動型投資]株式連動型投資は、出捐者{しゅつえんしゃ}が株式の収益を活用できる新しい方法となるだろう。
第9章 賢い節税の仕方、教えます
デボラ・L・ジェイコブス
[慈善先行信託]慈善先行信託クライアントの寄付とその家族を第一に考えるなら、慈善先行信託が最高の方法だ。
第10章 フリップしましょう
キャロル・グールド
[チャリタブル・リマインダー・ユニトラストの規制]チャリタブル・リマインダー・ユニトラスト関連法規の統合で、この信託人気に弾みがつく。
第11章 個人的事情
デボラ・L・ジェイコブス
[現金以外の資産で私的財団を設立する]現金以外の資産で私的財団を設立するとなると、話はややこしくなる。アドバイザーとしては、クライアントにゴーサインを出す前に、財政状況や法律上の問題を含めその全体像を把握しておく必要がある。
第12章 あなたの寄付、手伝います
ジェニファー・ネルソン
[ドナー・アドバイズド・ファンド]金融サービス各社は、従来の慈善計画戦略の問題点を解決し、設立費用を削減した新たな寄付戦略の売り込みにしのぎを削っている。
第13章 寄付するだけじゃ、つまらない
グレゴリー・タガート
[小規模企業の売却]慈善信託を利用して小規模企業を売却すると、節税になるだけでなく、売却後の収入も増える。
お金の面で、クライアントとその家族が道を誤らないよう手助けする……これほどやりがいのある仕事はない。アドバイザーとしては、ファイナンシャル・プランニング、税務、投資、リスク管理、保険、資産保護、財産移譲といった複雑なテーマを使いこなすことが求められる。専門が何であるかにかかわらず、資産管理のあらゆる分野にわたって、主要問題とカレント・トピックスにも通じ、クライアントに健全なアドバイスを提供することができなければ、アドバイザーとしての成功などおぼつかない。
その必要性を肝に銘じたうえで、〈ブルームバーグ・ウェルス・マネジャー〉は、アドバイザー向けに戦略ガイドブック・シリーズを刊行することにした。クライアントが直面している問題について、より幅広く新しい知識をアドバイザーに持ってもらえれば、という願いをこめてのことである。どの巻にも、かつて〈ブルームバーグ・ウェルス・マネジャー〉誌に掲載された記事の中から、情報量に富み、内容の詳細なものを厳選して集録した。このシリーズが、投資の重要な展開を見極めたり、プランニング上の複雑な決断を模索したり、特定のクライアントを目標達成に導く最善のテクニックへの指針になったりしてくれれば、幸いである。
本書では慈善活動戦略を取り上げた。具体的には、財団の設立、慈善団体の評価、ドナー・アドバイズド・ファンドの利用法、慈善先行信託といったテーマを取り上げている。また、現金以外の資産の寄付や、慈善信託を利用した小規模企業の売却などについても触れている。しかし、これらは本書のほんの一部にすぎない。ここに掲載したすべての論文が、アドバイザーの方々に、重要な慈善活動戦略に関する豊富な知識と情報を提供できることを願ってやまない。