内容説明
チーパがいなくなった。その日から、ぼくの“ヒニチジョウ”がはじまったんだ。思いがけない日々のなかで成長していく少年・イタルの物語。
著者等紹介
長江優子[ナガエユウコ]
1971年、東京都生まれ。武蔵野美術大学卒業。構成作家として主にNHK Eテレの子ども番組の制作に携わる。2006年、「タイドプール」で講談社児童文学新人賞佳作を受賞し、同作にてデビュー。21年、『サンドイッチクラブ』(岩波書店)で第六八回産経児童出版文化賞“フジテレビ賞”を受賞
早川世詩男[ハヤカワヨシオ]
1973年、愛知県生まれ。イラストレーター(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
chiaki
31
飼っていたオカメインコのチーパを不注意で逃がしてしまったイタルたち家族。それからとゆうもの、いつも心のどこかでチーパを探す日々。いろんなものがチーパの鳴き声に聞こえるし、チーパに見えてしまう。友人の協力を得ながら、懸命に探し…。チーパのいない非日常から日常を取り戻すまでの心の成長を描く。こんなラスト好きだなぁ。早川世詩男さんの絵もこの物語にちょうどよいゆるさを持たせててとても似合います。2023/06/29
マツユキ
14
至の家で飼っているオカメインコのチーパを逃がしてしまい、家族は必死で探します。チーパがいなくなってから、チーパだ!と聞き間違い見間違いをするようになりますが…。大切なものを失って、悲しんでいても、新しい事が始まっていく。チーパのことをより深く思うことができる。鳥から連想する自由さもあり、世界が広がっていく、爽やかさもありますが、やっぱり寂しいよね。味わい深いラストでした。早川世詩男さんのイラストも大好き。2024/09/28
芦屋和音
5
小3のイタルの家でオカメインコのチーパがいなくなった。父母と共に懸命に探すが見つからず、イタルは空耳がしたり周りが変な風に見えるようになる。それは「非日常」の世界……。喪失感をとても上手く物語に落とし込んである。大切なものを失ってどこか上の空になる感じに共感する子も多いはず。登場人物たちが🕊の名前なのも面白い。友だちと協力してチーパ捜索隊を作り、探し、そして「新たな日常」の世界へ進んでゆくイタル。小学校中学年〜の夏休みの読書に最適です◎2023/06/29
奏
3
小学3年生の至が飼っていたオカメインコのチーパがいなくなってしまった。チーパがいることが当たり前の日常からいなくなってしまった非日常世界は、今まで見えなかったものが見えたり、聞こえていなかったものが聞こえてくる。この感覚、すごくよくわかる!何をしていてもどこか上の空で、胸がざわざわして。早く、早くこの非日常から抜け出したいと走り出したくなっちゃうような居心地の悪さ。この感覚、私だけじゃなかったと嬉しくなってしまった。終わり方もとても好みでした。2022/09/01
読書国の仮住まい
2
事件は土曜日の朝に起きた。 服部至の家のベランダからチーパがいなくなったのだ。 オカメインコのオスでペットショップからやって来た。 ちぃちぃぱっぱと歌うと、ちぃばっばと応える。 ポスターを作り電信柱に貼り出す。 チーパがいなくなって、なんか目がチカチカする。 次の日友達のムツ君にこの感覚のことを伝えると、それは非日常だって言う。 何かいろんなものが見えるようになった。 そうするとみんなの落とし物を見つけて感謝されることも。 新聞紙が溜まって、鳥の餌に虫が湧いて、鳥籠に錆が出た。 これが新しい日常なのかな。2023/01/18
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