内容説明
誰のための「和解」か。被害者、声の不在。何のための「和解」か。日韓合意、捨てられた歴史。「和解」とは何か。
目次
1 『帝国の慰安婦』、何が問題か
2 日本軍「慰安婦」制度と日本の責任
3 歪められた被害者たちの「声」
4 日韓会談と根拠なき「補償・賠償」論
5 河野談話・国民基金と植民地支配責任
6 終わりに=忘却のための「和解」に抗して
著者等紹介
鄭栄桓[チョンヨンファン]
1980年千葉県生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了(社会学博士)。立命館大学コリア研究センター専任研究員を経て、明治学院大学教養教育センター准教授。専門は歴史学、朝鮮近現代史・在日朝鮮人史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くまパワー
2
極めて良い本だと思う。朴氏の起訴案の後に日韓の知識人たちが学術の自由を守るために抗議した。でもその時朴本の問題が誰も気づいてない、もしくはわざと見逃した。朴本を指摘した人が「学問的論争をしているのではなく「朴裕河バッシング」をしている」というラベルを付けて反論した。学術の自由は極めて重要だが、朴本は決していい本ではない。中にも誤読か片面の資料を使い、新しいナラティブを作り出した。そして本書は朴を礼賛する日本学者に対する怒りがあり、気づいたら抗議書の中にFFJの先生誰もいない。2022/12/09
えんさん(연싼)@読書メーター
2
読むのにすごくエネルギーが必要…「『帝国の慰安婦』のここが誤っている」という主張が強すぎると感じるのは、私が「日本人」だからなのか。朴裕河が日本で受け入れられるのは『帝国の慰安婦』が日本の植民地主義と融和しているからと本書では述べているが、それを自覚した上で読んでてもダメなのかと「もやもや」させられた。本書を通じて「朴裕河を礼賛する堕落した日本の知識人」に対する怒りは感じるのだけど、それを踏まえた上でどう乗り越えるのかが見えない。両方の本を読んだ上で、自分ならどう「慰安婦」問題を捉えるか考える必要があるだ2016/04/13
Akio Kudo
1
★★★ 帝国の慰安婦に対する反論本。細かく論述してある。2017/12/25