内容説明
私は何のために生きているのだろう。存在しているのだから存在を続けていい。私はためらいながら描き出し、描き続け、今も描いている。萩尾望都があこがれ、求めるものたち。待望のエッセイ集。
目次
1(青緑色の池;先生の住所録 ほか)
2(食卓にはブラッドベリの幸福を;単純な解答 ほか)
3(男性作家による少女まんがのフェミニンな視点;「超人ロック」の甘い歌声 ほか)
4(日米スーパーヒーロー;オデッサの乳母車 ほか)
著者等紹介
萩尾望都[ハギオモト]
1949年、福岡県生まれ。69年に「ルルとミミ」で漫画家デビュー。『ポーの一族』『11人いる!』で76年に第二十一回小学館漫画賞、97年に『残酷な神が支配する』で第一回手塚治虫文化賞マンガ優秀賞、2006年には『バルバラ異界』で第二十七回日本SF大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぐうぐう
36
2011年に刊行された萩尾望都のエッセイ集。本や映画、絵画に舞台と、自分が好きなものについてのエッセイで、古くは1976年に書かれたものがある。ユニークなのは、好きなものについて単に感想を述べているだけではなく、なぜ好きになったのか、どうして感動したのかを分析している点だ。『戦艦ポチョムキン』におけるオデッサの乳母車の場面を延々と描写し、その意味を探るエッセイは、そんな萩尾の分析癖の最もたるものだ。あるいは彼女が夢の遊眠社の舞台が好きなのも、この分析癖を知っていると大いに頷ける。(つづく)2023/06/12
爽
19
萩尾望都さんの本や映画についての記録。手塚治虫が何回も出でくるし、SFが本当に好きなんだなと感じた。本だけじゃなくてミュージカルも映画も歌舞伎も、色々見てアンテナを広げることを、好きという感覚でしているんだなあ。ブラッドベリ名前は知っていたけど、読んだことはないので読んでみたい。2017/02/13
かず1号
17
竹宮先生の「少年の名はジルベール」から流れてきたんだけど、イヤ~、竹宮さん以上に天才の感受性は半端ないですね・・・(*゚◇゚*)!!! 芸術全般に審美眼のない私には驚愕ものです。 これで読みたい本と見たい映画が増えました。 残念ながらバレーは見る気は起きませんが(笑)2016/06/12
佳容
12
彼女の描く世界が好きで、憧れだった。この本は云わば彼女の本棚。その世界に触れられて幸せでした。そんな風にエッセーを読む醍醐味を知った。「トーマの心臓」や「半神」の読後に感じた風が、ここには吹いていました。2012/07/21
蒼田 友
11
トーマの心臓などで有名な萩尾望都先生のエッセイ!見つけた時は、おぉっと声が出ました。勝手に神聖視している漫画家さんなので、エッセイで身近に感じられたら良いなと読みました。興味深いのは、小説や漫画や映画などについても書かれているので、萩尾望都が好きなのなら読んでみようと思わされる作品が多くあった事。2019/10/12