内容説明
埋もれていたエッセイを再発掘!よみがえる江戸の男の粋。
目次
1 歳月を書く(一升ますには一升しか入らぬ;維新の傑物 西郷隆盛 ほか)
2 あたたかい街(余白に;うれしいこと ほか)
3 劇場のにおい(「鈍牛」について;「夫婦」 ほか)
4 下町の少年(浅草六区;下町の少年 ほか)
著者等紹介
池波正太郎[イケナミショウタロウ]
1923年1月25日、東京市浅草区聖天町生れ。下谷区西町小学校卒業後、株式仲買店に勤める。旋盤機械工を経て、横須賀海兵団入団。敗戦の翌年、東京都職員として下谷区役所に勤務。長谷川伸門下に入り、戯曲「鈍牛」を発表し上演。新国劇の脚本と演出を担当する一方、小説を執筆し、1960年『錯乱』で直木賞受賞。『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』の三大シリーズや『真田太平記』などの小説作品で人気を得る。また食や映画、旅に関する著作も多数。吉川英治文学賞、大谷竹次郎賞、菊池寛賞などを受賞。1990年5月3日逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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えみ
15
西郷隆盛、大石内蔵助、武田と上杉など魅力的な歴史人と時代小説について。芝居の脚本について。映画についてなど、様々なエッセイを収録した一冊。歴史人の池波先生的捉え方が面白かった!2016/12/10
punyupunyu
12
久しぶりに池波氏の文章に触れました。飾らない語り口が好みです。一連の作品はすでに読了してしまいましたが、何度も繰り返して読むことができるのは氏の作品のみです。新作が読めないのは残念な限り。2015/05/06
himawa
11
納得の一冊でした。激動の幕末の熱さとかすぐむかしだったんだと思えた。舞台も観てみたかった。お正月のネコちゃんたちの挨拶もいいし。今お元気でいらっしゃったらこの国の状況をなんとおっしゃるのだろうと、ほんと聞かせていただきたかったと思いました。2015/10/10
福蔵
10
久々に読んだ池波センセイのエッセイ。なんとなく読んだことがあるものが多い気もしたが、それもご愛嬌。小説家よりも劇作家の一面が垣間見えて、小気味よいリズムの文章が心地よかった。これを機に小説も読み返してみようかな。2013/03/06
みやざき しんいち(死ぬまでにあと1,000冊は読みたいんだ)
9
(65/1000)タイトルの意味は「一升ますには一升しか入らないのに、最近の日本は枠を超えてないか?」というエッセイに書かれている。昭和51年(1976年)のものだ。バブルを超えて、どこまでこの国は行くのか?という不安を池波正太郎は持っていたのだろう。多くのエッセイは、池波正太郎の脚本家、作家として駆け出しの頃の風景を書いたもの。昭和ののんびり感、あくせくしない池波正太郎の世界に触れられる一冊。2018/09/20