河原者ノススメ―死穢と修羅の記憶

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  • サイズ B6判/ページ数 385p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784901998505
  • NDC分類 772.1
  • Cコード C0095

内容説明

芸能がつくりあげた荒唐無稽こそ、宇宙の片隅で漂う人間の叡智の産物かもしれない。構想50年―日本映画界の旗手が、芸能者たちの“運命”を追跡し、この国の“歴史”が時系列で記される単純化に抗する、渾身の書き下ろし作品。

目次

芸能賎民の運命
河原という言葉
排除された雑技芸
劇的なるもの
「猿」について
漂流する芸能
神仏習合の契機
「翁」について
清水坂から五条通りへ
白拍子とは何か
興行者の誕生
歌舞伎と浄瑠璃
近松門左衛門
すさまじきものは宮仕え
助六誕生
東洲斎写楽
東海道四谷怪談
團十郎追放
河原者の終焉

著者等紹介

篠田正浩[シノダマサヒロ]
映画監督。1931年、岐阜県生まれ。49年、早稲田大学第一文学部入学、中世・近世演劇を専攻。50年、箱根駅伝出場、2区を走る。53年、早大卒業、松竹撮影所入社。60年、『恋の片道切符』で監督となる。大島渚、吉田喜重らとともに「松竹ヌーベルバーグ」として前衛的名作を発表。66年、松竹退社、フリーとなる。67年、独立プロ・表現社を妻の岩下志麻とともに設立、自主制作をはじめる。2001年、早稲田大学特命教授に任命される。03年、『スパイ・ゾルゲ』を最後に監督業引退(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

seichan

3
面白かったので一日で読んだ。途中までは能や狂言についての言及も多いが、後半は歌舞伎がほとんどという感じ。明治までで終わってるが、それ以降を書くと各方面に差し障りがあるのであろうか? むしろ、活動屋として筆者が実際に知っている、その部分をこそ多く読みたいのだが……。引用文献が多いので、これから原本にあたる楽しみはある。2012/02/17

ばるたんせいじん

2
聖的なものと穢れの狭間で流浪した異形の芸能者達の軌跡は、表現することの意味を問いただすにはいられない。無限に到達するのは神を媒介にしか行いえないのか?時間を!出来事を!生み出すことが無媒介的に無限を創造することにつながる瞬間のイメージは、「河原乞食」の存在に定位する。2012/08/07

灰月弥彦

2
最初は議論があちこちに飛んだりして言いたいことが分かりにくかったかな。後半になるに連れて時系列に沿って話が展開されるようになってからはすんなりと読めた。2010/11/13

メルセ・ひすい

2
只の映画監督  ×・・期待しすぎてたか…2009/12/14

kazhc57

1
力作です。能、狂言、浄瑠璃、歌舞伎といった伝統的な演劇の根底に流れる、日本人の感性と様式の変遷を表しています。 学術的な内容なのですが、楽しんで読めるように工夫されています。忠臣蔵、勧進帳、助六、心中物、四谷怪談、源平合戦など、分野を超えて愛されているストーリーの中に、共通した流れを見る目線はかなり面白いです。2022/02/02

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