内容説明
少年時の回想、旅の思い出、異国での暮らし、―人生の折々を彩り、ゆたかにしてくれた花々、四季の花々に託して、音楽と美術、そしてプルーストを愛する文芸批評家が綴る、“こころ”の記録。著者撮影によるカラー写真32点。
目次
不死の花―水仙
早春の香り―梅
ネーデルランドの花―クロッカス
高貴な白い夢―木蓮
無の充溢―薔薇
望郷の花―石楠花
水の青春―睡蓮
夏の花―夾竹桃
聖なる青の花―ヴェロニカ
繊細、可憐の秋―萩〔ほか〕
著者等紹介
饗庭孝男[アエバタカオ]
1930(昭和5)年、滋賀県生まれ。文芸評論家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うめ
1
深い思索と広い知識とあふれるほどの情感があれば一輪の花でさえ饒舌に語り出す。私も目の前の事象から可能な限り、物語を汲み取りたい。だからやっぱり、本を読んで人と語って、目と耳を研ぎ澄ませていきたい。2013/11/27
depthofthesky
1
#dokusyo 中野のホテルで読了。著者の饗庭孝男はプルースト研究者だけれども日本の古典文学にも造詣が深くて、いわゆる碩学といってよい人物だと思う。エッセイに滋味があって読んで気持ちがいい。これは四季の花に取材した本。水仙、梅、クロッカス、木蓮、薔薇、石楠花、スイレン、などなど。枯れた『フローラ逍遥』(澁澤龍彦)のような、美しい本。2010/04/12