内容説明
紀州の旧家の土蔵に眠っていた膨大な文書。それは、皇帝溥儀と関東軍司令官らとの496回にもおよぶ密室での会談記録だった。満州国崩壊から60年を経て、極秘文書が浮彫りにする「人造国家」の驚くべき内実。
目次
「厳秘会見録」との遭遇
満州国の誕生前夜
「日満議定書」調印の舞台裏
小春日和の溥儀執政時代
砂嵐の中の皇帝即位式
訪日で遠のいた「清朝復辟」
「帝室御用掛」吉岡安直
傀儡国家の内実
浮上した世継ぎ問題
帝位継承をめぐる密約
日中戦争に揺れる満州国
一九三八年、「厳秘会見録」の終焉
著者等紹介
中田整一[ナカタセイイチ]
1941(昭和16)年生まれ。熊本県出身。九州大学法学部卒。1966年、NHK入局。プロデューサーとして「日本史探訪」「NHK特集」「NHKスペシャル」など、主に現代史を中心とした歴史ドキュメンタリー番組の制作に携わる。「戒厳指令交信を傍受せよ―二・二六事件秘録」「ドキュメント昭和」「消された真実―二・二六事件東京陸軍軍法会議秘録」「大英博物館」「ドキュメント太平洋戦争」など多数。1988年、放送文化基金個人賞、他に文化庁芸術祭優秀作品賞、日本新聞協会賞など受賞多数。編成主幹(スペシャル番組部長)、NHKエデュケーショナル常務などを経て、大正大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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takao
2
ふむ2020/10/23
Masayuki Shimura
1
【化かし化かされ,隠し隠され】自分にとって,「この人の作品は読んで絶対に間違いがないな」と思う人の一人が中田整一氏なんですが,本作もその(身勝手な)期待をまったく裏切らない作品でした。溥儀と日本関係者の生のやり取りから,満州国政府の運営が,極めて繊細な政治的駆け引きの上に成り立っていたことがよくわかりました。2018/12/19
ちまき
1
とても分かりやすく、公平な目線で書かれているので、満州国と愛新覚羅を知るにはまずこれを読むのがいいかも。2018/08/15
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