出版社内容情報
ヒトはいかにして人になるのか。
その秘密の開示が、ここにある。
鴎外の二女・小堀杏奴は、1998(平成10)年、88才で死んだ。
そのあとに、鴎外の絵葉書、書簡、手製の教科書など、未公開の家族資料が残された。それは一つの家族の生長の記録であり、父・母・姉・弟を中心とする家族感情の歴史である。
【第一巻:林太郎と杏奴】
父から子への葉書(約100通)、鴎外手製の教科書(約20点)等未公開資料を原本よりカラーで複製。鴎外の子どもたちへの愛情と教育へのこだわりを”目”で読む。また、鴎外の品格ある文字は、「書」としても必見に値する。
〔付録〕『山椒大夫』歴史小説とお伽噺、その二つの表現を対比し、鴎外の教育に対する情熱を読み解く。