内容説明
文革が始まってから、いつも私は独りぼっちだった。愛する父と別れ、可愛がってくれた伯父が自殺し、好きだった先生に牙をむき、革命に明け暮れる学校をさぼり、逆上する母に反発しながら、私は何かに苛立ち、何かを探し求めていた。そして、やっと私は、非行グループの女リーダー大洋馬とその仲間たちの集う家にオアシスを見つけたのだが―文化大革命の前後に多感な少女時代を過ごした中国人女性作家・沙柚が、瑞々しい日本語で描く自伝的長篇。
著者等紹介
沙柚[シャユウ]
中国北京生まれ。文化大革命のさなかに多感な幼少期を過ごす。大学で日本語と日本文学を専攻。1989年6月、天安門事件の直後、騒乱の北京を後に、日本に渡る。その後、出版関係の仕事に従事、今日に至る
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感想・レビュー
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星落秋風五丈原
19
父と娘がまるで恋人のようだった、森鴎外の娘・茉莉の著書『父の帽子』。同名でありながら、本作の中国人父娘には彼等のような甘さはない。主人公・柚と父の間から甘さを取り去ったのは、タイトルにもなっている『父の帽子』である。父の帽子はまた、母との間にも溝を作った。10歳の少女・柚は、文革の時代、父親が遠くに行かされていて不在で、厳しい母親の元で育つ。この境遇は、中国出身の作家ルル・ワンが、オランダ語で書いた小説『睡蓮の教室』の主人公・水蓮と似通っている。。守ってくれる大人がいない柚は、より時代に近く接していた。2008/09/21
kyoko
3
北京の胡同(ふうとん)で幼少期を過ごし、やがて文化大革命による変化が訪れる。両親、仲の良い友達、学校・・・どんどん今までと違う空気に染まっていく様子がリアルに描かれていた。2012/07/21
モーリーン
1
切ないのに明るい
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