内容説明
いのちの美しさについて話がしたいのです。日本野鳥の会の会長をつとめる、稀代のナチュラリスト10年ぶりの書き下ろしエッセイ。
目次
コウノトリ
ツバメ
タンチョウ
タゲリ
野生の尊さ
オオムジアマツバメ
キガシラペンギン
シマフクロウ
里山の話
ナベヅル・マナヅル〔ほか〕
著者等紹介
柳生博[ヤギュウヒロシ]
俳優。(財)日本野鳥の会会長。昭和12年茨城県に生まれる。昭和36年、映画「あれが港の灯だ」でデビュー。数々の映画やドラマに出演。またNHK「生きもの地球紀行」のナレーションはあまりにも有名。私生活では、山梨県八ケ岳南麓(北杜市)に居を構え30年あまり。荒れ果てた人工林を元の雑木林に戻し、その林を開放した「八ケ岳倶楽部」には、年間10万人以上も訪れる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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やすらぎ
194
歳をとればとるほど感性は豊かになっていく。いのちの美しさについて話をしようよ。そう仰る柳生博さん。イヌワシを見かけたんだ。動植物を見つめ自然のつながりを心から愛した優しい思いが文章から伝わってくる。生きものはなぜこんなに苦労して生きているのかな。それぞれ選択した生き方で命をつないできたんだな。たった10gの鳥が海を渡るんだ。花は虫や鳥に来てもらうために咲いている。私たちを喜ばせるためではないけど綺麗だし微笑みが生まれるよね。鳥は繊細な色彩感覚を持っているんだ。だからオオルリもキビタキもウソも美しいんだよ。2023/05/22
OHモリ
22
・日本野鳥の会の会長をされていた柳生さんってとってもいい人だったんだなぁ、日本の里山という文化を愛して守ろうとしていたんだなぁ、八ヶ岳山麓に家を建ててそこで暮らしていたんだなぁ、そして調べてみたら去年2022年4月に亡くなっていたことも分かった。とても残念だけど、この本を読んで柳生さんの考え方を触れることが出来て良かったなとしみじみ思う。そしてやっぱり残念に思うのだった。ブログ→https://plaza.rakuten.co.jp/drunk4374books/diary/202307020000/2023/06/27
今庄和恵@マチカドホケン室コネクトロン
20
柳生博さんが日本野鳥の会の会長さんだったって知ってた??そこに至る道の始まりは柳生家のしきたりだったそうで、そのおかげで絶滅を免れた鳥が何種類もいるとは。鳥のトリビア()がいっぱいなんですが、鳥も住めない環境には人間だって住めないよということが繰り返し語られている。コスタリカの子どもたちのなりたい職業No. 1であるフォレスト・エンジニアとは、生き物の生育域であるグリーンベルトを作るお仕事だそう。なんて幸せな国なんだ!2023/06/27
こんくり
2
日本野鳥の会会長である柳生博さんのエッセイ。野鳥学者ではない柳生さんが会長に選ばれた理由がよくわかった。知識や研究も大切だがそれ以上に、野鳥を愛し楽しむことが共生につながるのだと思った。2016/08/28
古隅田川
0
ケツァールの棲む国、コスタリカではフォレストエンジニアという職種が成り立っていることにびっくり。著者は自分のことを、「鳥が好きなだけ」と謙遜しているが、コアジサシの繁殖地を守ったお話、ヒシクイやイヌワシに関する記載等、生物への愛着と生態系保護への強い執着が感じられた。日本野鳥の会々長にふさわしいと思う。